10月4日 陶器の日

2022年06月18日

りんごのお皿。

ずっと我が家の食器棚にあり続けていた、
りんごの形の白いお皿を、割ってしまった。
すごいショック。
そして、えーなんか不安!こういうことがあると、
すぐにいろんなことを連想してしまう。

いつか、夫の陶器の箸置きを割ったら、
夫がアキレス腱を切ったことがあった。

でも、いや、待って。
そうでもないことの方が、たくさんあった。

家族で鍋の最中、息子の第一志望の高校のパンプだけが、
ぴらりと、棚から落ちてきたことがあった。
でも、受かった。

大学受験の時は、雪で漫画みたいに滑った。
も、受かった。

中学受験の時なんて、
前日に、塾で消しゴム投げゲームして、
息子は、取りこぼしまくっていた。
…まあ、確かに、取りこぼしていた。

逆に、おみくじ大吉だったのに、
病気が再発したこともあった。

形あるものは、いつか壊れる。
壊れるのが嫌だからと、
使わずに、ずっと棚の中に置いておくわけにいかない。

病気が再発して、
もうどこにも行かず、誰とも会わず、
ものも書かず、感情を動かさず、
じっと、ただ家にいればいいのかと、思った。

でも、それじゃ、生きていることにならない。

命とは、
割れるのが、壊れるのが、傷つくのが怖いからと、
何もせずには、いられないのだ。

割れたりんごのお皿に、今までありがとうを。

斜めに、パリンと割れたお皿に、
断ち切れない何かを、断ち切れた感じ。
痩せ我慢でも、そっちを向こう。


皿の、私たちの、命。
欠けたり、割れたり、壊れたり、
傷ついたりしながらも、
何か乗せたり、温めたり、
差し出したり、うっとりしたり、
そうやって、
命を使い尽くすのだ。

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