火曜日の黒糖飴。
火曜日は、忙しい。
月に一度の病院(午前)と、
毎週バレエ(午後)がある。
午前中、病院で経過を確認して、
ほっとする。
何ヶ月も、何回も、入院した病院の
大きな扉から、元気に出られることが、
毎度、ほんと有り難くて、
また1ヶ月頑張るねと、
バレエにチャリで直行する。
無理はしないけど、
月に一度のダブルヘッダーは、
大変ちゃ大変なので、
ドキドキしつつ。
午後のバレエでは、
毎回、大きなごっつい飴をくれるおばちゃんがいる。
それは、友好の黒糖飴。
バレエの前にやっている、
バレトン(超ハードなやつ)にも、
おいでよ~と毎回誘われるので、
今日は控えめに、腎臓がよくないんで…と、
小声で言うと、
「えー!!私もだよ!!」と急に縮まる距離。
「腎臓の位置が左右ずれ落ちて、
血尿も出ちゃうんだけどさーもう25年!
あ、でも、無理しちゃいけないよ!」
と。
恐ろしいことをケロっと言う。
また、別の女の人が「視野狭窄症で…」と話してると、
また飴のおばちゃんが「えー私もだよ!!」と。
「これでテニスやってんだけどさーあはは。
あ、でも、無理しないでね!」と言いながら、
私の方を振り返り、「うふふ病気だらけ!」と笑う。
血尿出しながら、狭い視野で、
バレエだ、テニスだと、
よくないんだろうけど、
飴のおばちゃんのバレエは、
しなやかで、きれいで、力強いのだ。
で、たまに、ちゃんとサボっている。
自分の病やら、抱えたかなしみを、
強がりではなく、
聞く人にも気を遣わせないくらい、
笑い飛ばせるようになるのは、
いつだろう。
なかなか熟練・熟達しないと、
あの雰囲気は出せない。
いただいた飴は、大きすぎて、
いつも、口から飛び出しそう。
口の中で、転がしながら、
ゆっくり溶かしていこう。