小川 貴一郎氏作品 | オーベルジュ eau feu
美術館やギャラリーではないけど、先日泊まった宿に、小川 貴一郎さんの作品に出会うことが出来た。そこでは、小川 貴一郎さんの作品が、宿の施設内の至るところに飾られ、エントランスや廊下などの共用部だけでなく、宿泊部屋にも飾られていて、希望者は購入することもできる。
この宿「オーベルジュ eau feu」は大変ユニークで、廃校となった学校校舎を、宿泊できるようにした施設。当時の教室の状態のまま泊まるのかと思ったら、客室や施設内は、モダンな感じにリノベーションされていて、廊下などで昔の学校だった面影を感じることができる。また「オーベルジュ」なので、レストランがメインの宿で、このレストランも非常にユニークだった。
小川 貴一郎さんとは、今回初めて知るアーティスト。作品のサイズも大きく、またダイナミックな作風。制作風景の写真をみると、天井から吊るされたロープに乗って、動きながら描いているようだ。そのため、同心円的な模様が特徴的に現れるのだが、それが作為的ではなく、自然的な模様で、各作品の個性になっている。
この宿のWebサイトに作品が展示されていることは紹介されていたが、事前にそういう情報を得ずに訪れたので、作品と過ごせる宿泊体験に驚きだった。宿に入ると、最初のエントランス兼レセプションの広間に、小川 貴一郎さんのかなり大きな作品が飾られ、それが、その空間によくあっていた。
この施設で飾られている作品のほとんどは、小川 貴一郎さんがこの宿に数ヶ月滞在されて描いたものだという。いわゆる、アーティスト・イン・レジデンス。
宿泊した客室には、それぞれの作品の解説と、その作品はどういう曲を聞きながら描いたのか、その曲のプレイリストへのアクセスコードなどをまとめたブックレットがあり、それらを読んでいくのも、なかなか面白かった。
ちなみに、今回の宿を選んだのは、その近隣にある施設が主目的。その宿の隣、といっても歩いて10分程のところに、「農口尚彦研究所」という、日本酒の酒蔵があり、そこが気になって訪れてみたいと思ったら、隣に、この宿があり、ちょうどいいと思い、利用した。結果的には、農口尚彦研究所もオーベルジュ eau feuも、大変印象深いところだった。