会社名を <ひらがな> にすることの考察
会社名は、その会社のイメージを対外的に表すモノとして、重要な要素の一つです。
基本的には、法的・社会的な逸脱のない範囲であれば、どのような会社名にしてもいいわけで、「株式会社あいうえお」「株式会社たたた」というのも可能です。
しかし、会社名をその組織の経営理念や事業内容等を的確に表したり、目につくような名前の会社目にすると、その後のビジネス展開に有利だったりします。
会社名を構成する要素として、ひらがな、漢字、アルファベットや一部の記号(&など)があります。
今回、その中で<ひらがな>だけで社名を構成する場合について、考察してみました。
日本の会社名で最も使われる<ひらがな>の単語は?
とある調査で、法人名にどのような単語が使われているのかを調べたものがあります。その結果での<ひらがな>の単語使用状況の一部を掲載すると、こんな感じになります。
・ひまわり
・さくら
・みらい
・みやび
・みのり
・あすなろ
・こころ
・あさひ
・ひかり
・たんぽぽ
・なごみ
・いずみ
・わかば
・なかむら
・いろは
・たちばな
・みなみ
・やまと
・のぞみ
・あすか
・つるや
・みどり
・あおぞら
・つばさ
パッと見て、「なかむら」だけ名字系で、名字として使われることの多い「鈴木」「田中」「佐藤」よりも、会社名として使いやすいのでしょうか。
こうしてみると、自然にちなんだ言葉がよく使われていますね。
簡単に分類すると、こんな感じになります。
<花>
・ひまわり
・さくら
・あすなろ
・たんぽぽ
・わかば
・わかば
<風景>
・みのり
・ひかり
・いずみ
・みどり
・あおぞら
また、日本的な情感の言葉も見られます。
・みやび
・なごみ
・こころ
会社名を<ひらがな>にすることの効果
この一覧をみると、漢字で表せるものの、<ひらがな>にした方が、柔らかさが生じる感じがします。
たとえば、
「未来」 と 「みらい」
「朝日」 と 「あさひ」
「明日香」 と 「あすか」
「青空」 と 「あおぞら」
などです。
これは、漢字ですとカクカクとした字形が多く、<ひながな>では丸みを帯びた字形が多く、その形が柔らかい印象を与えるのだと思います。
また、空間に占める字の面積は、漢字の方が多くなりやすく、見た目の圧倒感を生じやすい。
<ひらがな>の社名が適さない場合
会社名を<ひらがな>にすることで、柔らかさが出てくることは、上の例でわかります。何かしらの柔らかさを表したい場合には、<ひらがな>を使うのは、一つの手だと思います。
逆に、適さない場合も考えられます。
たとえば
・たんぽぽ法律事務所
実際に存在しそうな名前ですが、
親しみ感を出そうと、社名にしたのだと思いますが、
それよりも、
・未来総合法律事務所
のような方が、カッチリ感がでて、初めて目にする人への信頼度が増すイメージが出そうです。
誰でも読める<ひらがな>の力
<ひらがな>のもう一つの利点として、読み手に読み方を間違えさせない、という点があります。
たとえば
・日本
という字には、「にほん」「にっぽん」の読みがあり、どちらなのかは、字を見る限り判別できません。
<ひらがな>にしてしまえば、そのような読み方の迷いを無くすことができます。
しかし、この例で使った「日本」という文字の場合は、<ひらがな>よりも、漢字のまま使った方が、スマートさがあります。何が何でも<ひらがな>がした方がいいというわけではないと思います。
どのような会社名にするかで、その会社の表層的な印象が変わってきます。今回は<ひらがな>での場合を見てみましたが、社名をつけるときには、よく吟味することが重要です。