任天堂の原点「丸福楼」での贅沢な体験
数年前、京都を訪れた際に、高瀬川沿いを歩いていたら、たまたま見つけた 任天堂の旧建物。
ファミコン時代よりも前の カルタ・花札が主力商品だったときの建物で、それを見つけたときは、「こんなところに任天堂があったのか」と驚きました。
小さい頃、ファミコン・ゲームボーイ・スーファミで育ち、セガやソニーのゲーム機よりも、任天堂のゲーム機を好んでいた、任天堂派だったので、こういう発見でも、深く感動してしまいます。ちなみに、今は京都の十条あたりに、任天堂の本社があり、車で近くを通ったときに、白い直方体の、独特な本社ビルを見かけても、なんか感動してしまいます。
その建物が 昔の面影を残しつつ リノベされて 「丸福楼」というホテルとしてオープン。
今回、京都を訪れた際に、その「丸福楼」に泊まることにしました。
ディズニーホテルのように、任天堂のゲームキャラがホテル内に散りばめられていたりということはなく、旧建物の面影を残しつつ、今風にリニューアルされ、大人な雰囲気のホテルです。
なお、このホテルは、会社の任天堂自体は関係なく、任天堂の創業家が関わっているものです。ゲームキャラを自由に使えるというわけでない事情もあるのかもしれません。
建物のリニューアル監修をしたのは、安藤忠雄さん。実家近くの仙川や、瀬戸内海・直島の美術館、北海道・トマムの教会とか、手がけられた建物を、訪れた先で出会うことの多いです。仮に、安藤忠雄さんが、マリオモチーフの何かを建物内でデザインされたらと思うと、面白いだろうなぁと思いました。
ホテルの中には 過去の任天堂関連を集めた ライブラリー兼Barがあって、懐かしいもの、エポック的なものが置いてあります。今の任天堂の基となった 横井軍平さんや岩田聡さんの本なんかもあって、それらの本は昔読んだことがあり、改めて この建物の中でパラパラと読み返すと、この建物が描写されている場面が出てきたりして、シミジミと感じました。
昔、京都の長屋的な広さで、けっして広大な敷地とはいえない、この場所で、家内工業的な感じで、かるた・トランプ・花札を作っていた会社が、世の中に新しく登場したゲームに着目し、開発者が社内で一人という状態からスタートして、今や世界的な企業に。ターニングポイントとも呼べるような機運をつかみ、その波にのることの成長力の大きさを感じます。
ちょうど滞在時には 、新しいイカのゲームがスタートしたので、旧任天堂の建物のホテルの部屋で 任天堂のゲームをするという、なんとも贅沢な時間。(ちなみにホテルでのゲーム機の貸し出しはありません。)
ホテルレビュー的なことを、ここで詳しく述べるつもりはありませんが、満足度は高いです。ホテル内の飲食がすべてインクルーシブだったり、ホテルの朝食・夕食はここでしか食べれないものだったり、その他地味にありがたいサービスなどがあり、ホテルステイを楽しむのにピッタリでした。