あるファストフード店「LocoL」の話 | 最近気になったトピックス
アメリカ・西海外に「LocoL」というファストフード店があるそうです。
貧困地域で、「バーガーキング」と変わらない値段で、より健康的な食事を提供する魅力的なレストラン網を築いていく
そういう思いで、この「LocoL」というお店を始めたののは、ミシュラン星シェフの人物。
シェフのダニエル・パターソンは、まもなくオープンするファストフード店「ローコル」の明るく清潔なキッチンで、訓練生のあいだを行ったり来たりしていた。
47歳のパターソンは、サンフランシスコのベイエリアに5つのレストランを持ち、高級料理界で注目されているシェフだ。権威ある料理コンベンションでもよくその名を見かける。
いま、ここにいる訓練生のほとんどは、ロサンゼルス・ワッツ地区にある公営団地の住人だ。彼らの多くは雇われた経験がない。料理の経験がある人でも、昔ながらのファストフード店や刑務所のカフェテリアで働いたことがあるだけだった。
上記事掲載時は、ロサンゼルスとオークランドの2店舗があったようです。(現在の状況を調べると、オークランドのお店は閉店され、ロサンゼルスのお店と、移動販売のフードカーがあるようです。)
お店が開いたときには、知名度の高いシェフだったこともあり、セレブ等が来店し、かなり話題となったようです。
しかし、数カ月後には、お店はこんな光景に。
やがて行列は消えた。
開店から3ヵ月、ある日のランチタイムに訪れると、店内の客はまばらだった。・・・地元住民はほとんど見当たらなかった。
開店したときの思いとは裏腹に、お店のある貧困街の地元の人々が、まったく来店してこないのだそうです。
記事では、地元の人々の反応が紹介されていて、
近所の連中は、店のなかをのぞいて『おや、素敵な店! でも私はお呼びじゃないわね』って言うだけ。それが現実さ。
という状況で、貧民街のためのお店とは受け入れられていない。
逆に、富裕層の多いエリアに出店してみたところ、ここでも完全にお店の存在が浮いてしまい、お客さんは来ず、開店休業状態だったということです。
お店のコンセプトとターゲットが、完全に受け止められておらず、空振りの状態です。コミュニケーションの食い違いが産んだ悲劇と思います。
一体、何がいけなかったのか。