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中国電力レッドレグリオンズ|森山兄弟の強さの源
皓太(コウタ)、迅都(ハヤト)、飛翔(ツバサ)。ラグビーを愛する森山3兄弟だ。31歳の長男・皓太と23歳の次男・迅都は、どちらもリーグワン・ディビジョン3の中国電力レッドレグリオンズに所属。20歳の三男・飛翔は帝京大学でプレーしていて、2024年5月には日本代表のメンバーにも選ばれた逸材だ。
京都生まれの森山兄弟は3人とも180センチ100キロを超える恵まれた体格を持つ。「母親のご飯のおかげですね。美味しいんですよ」と次男の迅都がその秘訣を明かす。
「飛翔は親のご飯があったからこそ、中学1年で110キロぐらいあったし、(強い身体の)土台ができたと思う。飛翔は中学3年ぐらいで初めてベンチプレスをしたときに90キロぐらい上げていた。そのとき高3だった僕でも90キロがギリギリ上がってたぐらいなんで。土台って大事だし、親のご飯があったからこそだと思います」
好きなメニューを問うと、次男が「唐揚げ」と答えれば、長男はすかさず「いやパスタやろ! オカンのペペロンチーノはむっちゃうまい」とうれしそうに言う。そのやりとりだけで、愛情のこもった手料理が思い浮かぶ。
さらに、森山家の教育は「やりたいことはなんでもやしてくれる感じだった」という。2人も子供のころにバスケットボールやサッカーなど他競技のプレー経験を経てラグビーを選んだ。「いろんなことをやらせてもらって今がある」(迅都)。美味しいご飯と体を動かす日々。それが強さの土台を作ったのだ。
そこから、ラグビーの道を開拓したのは長男の皓太。次男はそれを追うようなキャリアを歩み、今年4月に兄とのプレーを望んでレッドレグリオンズに入った。特に同じフランカーやロックでプレーする2人はポジションを争う日々だ。
皓太は、「すごい刺激になるし、結果を出して負けないように、ポジションを取られないように頑張りたい」と持ち前の熱い闘志をますます燃やしている。
「弟が来てから取り組み方をさらに変えて、フィットネスをより向上するトレーニングをしていて、調子もすごく上がっている。弟とはポジションが一緒なので、特に負けたくない気持ちが強い。でも一緒に試合に出る夢もあります」
3兄弟はラグビー仲間であり良きライバル。一番下の飛翔が兄弟の夢でもある日本代表に選ばれたことも大きな刺激となった。これまで戦う背中を弟たちに見せてきた皓太は、「僕が現役でいる間は2人に負けられないけど、逆に追い込まれてきている」と危機感を口にするが、その表情はどこか誇らしそうだ。
「兄弟みんなラグビーが好きだし、それぞれが必死に頑張っている。僕も弟に負けたくないし、きっと弟たちも兄弟に負けたくないという思いでやっているので、切磋琢磨してうまくなっていったと思う。僕としては弟2人の存在は本当にありがたいし、全員を尊敬している。でも、負けてられないですね」
両親の愛情と兄弟の関係性。家族の絆が森山兄弟の強さを作っている。
文=湊昂大
取材=2024.06.18 @中国電力坂グラウンド
写真=2024.11.23 @中国電力坂グラウンド
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