「何をやらなければならないっていうのが見えたのが一番大きいですね」創業60年を迎える社長がコーチングで得た変化とは?
組織マネジメントにおいて「コーチング」が注目されています。しかし、実際、どんな感じで行われているのか?本当に成果はあるのか?という疑問は多いのではないかと思います。
コーチングを導入して7年になる、(株)ホンダ商会の本夛社長にご協力いただき、コーチングを導入されての事業、組織の変化などについてお聞きしました。
松本興太(以下、松本):
今日はいつも通り、本夛さんと呼ばせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ー会社名と肩書き、御社のサービス内容と業務内容を教えていただけますでしょうか?
本夛浩さん(以下、本夛):
奈良県の株式会社ホンダ商会の代表取締役の本夛浩です。当社のビジネスは、車、バイクの部品の卸業です。そしてその商品をECサイトでも販売しております。その他に他業種様の食品などをインターネットで販売している会社です。来年で創業60周年を迎えることになります。
松本:
来年創業60周年を迎えられるということで、会社を長く続け、しかも発展させていっているというところを、ぜひ今日お聞きできればと思います。
ー松本と知り合ったきっかけについて教えていただけますでしょうか?
本夛:
7、8年ほど前に、福岡のホテルで行われたあるコンサルタントさんの講演会で、ペアを組ませていただいたのが松本さんでした。松本さんは最初見た時、今の雰囲気ではなくて、派手な服を着ている変わった人だなぁという印象でした。周りの人からはコーピー、コーピーと呼ばれていたのを、僕は今も鮮明に覚えていて、それが始まりですかね。
松本:
あのときは某先生のところで僕も少し事業に携わらせていただいていて、知り合うきっかけになったというところですよね。
本夛:
はい。
ー当時どんなことに困っていらっしゃったかという、具体的なエピソードがあればぜひお聞かせいただけますか?
本夛:
私は動くのは全然自分自身でできるんですけども、まとめるという部分に関しては自分自身で上手くできません。そしたらそのときに、コーチングを松本さんに教えていただいたんです。コーチングは一緒に歩いていただく、走っていただくみたいな感じですね。書いたり、まとめるっていうのは不得意だったので、松本さんと自分自身の今後に向けてどうするか、どうしたらいいかという話を聞いていただいて、簡潔にキチッとまとめていただいたことを、僕自身が行動していく、すぐ実行実践をしていって、挑戦していったらいいかなと思って、松本さんとお話をさせてもらったような感じですね。
松本:
ありがとうございます。当時はどういう方向に進んでいくかというビジョンだったり、理念はしっかりしたものを持たれていましたけど、どうやってそれを会社の幹部の方と共有していくかっていうところに課題を感じられていたんじゃないかなという印象があったんですけども。
本夛:
そうですね。あのときはやっぱりどう向いたらいいかっていう、大きく言ったら経営計画というか、そのときは次のビジョンに向かってとか言ってましたけど、自分自身ではやっぱり考えられなかったっていうのが答えかなと思ったりします。何をやらなければならないっていうのが見えたかなっていうのが一番大きいですね。
ー コーチングを受けられて、どのような変化がありましたか?
松本:
次にコーチングを受けられて、どのような変化があったかというお話いただきましたけど、一緒にやった内容で印象に残っているところや、今に繋がるところがもしあれば、ぜひ教えていただけますか?
本夛:
決め事を決めていただき、それが今の会社の軸になっていますね。それは何かといいますと、ファブレス・アウトソーシング企業になろうということです。その言葉の定義を一緒に見つけていただいたことによって、ブレなくなったっていうのが、僕にとってはめちゃくちゃ大きいですね。今までって何かをやろうと思ったときに何しようかな、こうしようかなってやっていくんですけど、一本筋が通っていないので、忙しいときとか、別の案件が出てきたら、そっちをやっちゃったりしていたんです。
ファブレス・アウトソーシング企業になろうという言葉の定義づけをしたので、そこに合わせていくというか、ブレてきたらそこに調整する、またブレてきたら調整するみたいな感じで、軌道修正をやりながら、今のビジネスモデルができたかなあっていうのがありますね。それを一緒に見つけていただいたのが、印象というよりも、今の僕の財産だと思います。これを見つけられなかったら、現在のビジネスモデルも見つけられなかったかなと思いますね。
松本:
一緒に強みを見出すところから。
本夛:
していただいたのがやっぱり大きいですね。自分では強みと思っていないことを、松本さんに強みですよって言っていただけて、自分の中でもそれを認識できたので。逆に弱みですよっていうことも言っていただけて、強み弱みをハッキリと言えるのは、第三者だからなのかなと思ったりはします。自分自身ではわからないんでね。率直にバンバンって言っていただけるので。私も利害関係が無いから聞けるのかなと思ったりもします。
同業者さんとか、嫁さんとかに言われていたら聞けないでしょうね。だけど第三者の側面から「こうですよね」「ああですよね」って言われて、すんなりと素直に受け入れたからこそ、良い面も悪い面も教えていただけたと思います。
松本:
なるほど。
本夛:
実は僕、ゴルフではよくキャディーさんにどうやって打ったらいいですかって聞くんです。ここに打ってくださいねって言われて、そうやって打ったら結構入る率が高いです。聞かなくて自分でやっているより、確率も上がっちゃいますよね。キャディーさんがいてっていうのと一緒で、松本さんにちょっとしたアドバイスをしていただける部分というのは大きいですね。
松本:
なるほど。ありがとうございます。
ファブレス・アウトソーシングっていう一つのコンセプトの部分ですよね。
僕的には、ブレない軸とか言ったりもしますけど、コンセプトとして強みが結晶化されたものが、形になったり言葉になったりっていうことが大きかったと思うんですけども。
本夛:
そうですね。やっぱり言葉を文字におこすって結構大変だと思うんですよ。自分で無意識にしゃべっていることもあるじゃないですか。上手いこと文字に起こしていただいて、たまに図とか色んな事例などを使って教えていただけますよね。そして録音していただいたのを後から聞かせていただいたら、ああそうなんだよねみたいに気づくのもやっぱりありますね。聞いて、目からも入ってスコーンと落ちて動くっていうのは、僕にとっては今までのやり方と全然違うかなと思いますね。
松本:
なるほど。今の話だと、(私のやり方として)振り返りの時間をすごく重要視していて、一緒にさせていただくことが多いですけど、振り返りも結構効いているってことでしょうか。
本夛:
そうですね、やっぱり振り返り。自分自身では意外と振り返らないですね。一人でやったら性格もあるかもわからないですけど、突っ走る部分ってあるじゃないですか。皆さんよく言われるんですけど、バーッと(一人で)走っていて後ろ見たときに誰も付いて来ていないみたいな話よくあると思うんですけどね。
僕は、走りながらでも、松本さんにコーチングしていただいて、先月はこうでしたよねって話を毎回のセッションのスタートのときにしていただくじゃないですか。あの出来事ってどうなりましたかみたいな感じで松本さんに言っていただけると思うんですけど。考えてまた軌道修正をして。後ろ向いたり前向いたりというときに軌道を修正できている部分というのはありますね。
松本:
なるほど。振り返りは重要と思ってさせていただきますけども、その辺がより役立っているっていうのは、僕も聞けて嬉しいなと感じます。ありがとうございます。
第2話に続く
実践者インタビュー
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