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3つ目の信号と女の子と原付バイク

もう25年くらい前のことです。まだ若かった私、呼び止められて道を訊かれました。

相手は原付バイクに乗った女子2人。金に染めた髪を噴水のように整え、南国の鳥みたいな色の服を着ています。明るく元気な女の子たちでした。

女の子1「○○ってスタンド知らんー?」

私「まっすぐ行って、3つ目の信号を左に…」

女の子1「あんなー、ウチらこう見えて意外に頭良くないんやんかー」

女の子2「そうや、見た目と違うねん。ハハハ。何個目とかわからんわー」

私「……(困った、どうしよう)」

女の子1「(バイクの後ろを叩いて)乗って!道順説明してーや」

私「!?」

女の子2「乗って乗って」


イヤだ!と思った私はそこから逃げるように去りました。「3つ目の信号!左ですよ!」

そして二人の行方をこっそりうかがっていると、女の子たちは2つ目の信号で左折していきました。


今思うとわかるんです、1つの交差点につき信号は四方にいくつもあるから数え方がわからなかった、ってこと。

きっとそうしたことを丁寧に教えてくれる人が周りにいなかったんだろう、ってこと。


ちょっと苦いけれど、何だか笑ってしまう思い出です。

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