塵も積もれば山となる 〜「小さな施策」で組織のインプット・アウトプット文化を作る〜
リンクアンドモチベーションでストレッチクラウドのUXUIデザイナーをしている亀山です。
先日、株式会社セブンデックスさんがSHE株式会社さんがコラボして開催されたイベント「DESIGN JAM|SHE × SEVENDEX デザイナーLT会」にLTの登壇をさせていただきました。今回は登壇した内容をnoteにまとめました。
「小さな施策」で組織のインプット・アウトプット文化をつくる
皆さんは、輪読会やナレッジ共有といったデザイン組織横断の施策に取り組まれたことはありますか?
私たちは輪読会と社内LT(現在はnote執筆)を横断施策として数年に渡って継続しています。徐々にインプットやアウトプットの習慣が各メンバーに身に付き、やることが当たり前の施策になりました。また、それがデザイン組織の文化の一部になりつつあるなと感じています。
しかし、こういった施策は通常業務に加えて行うので負担になりやすく、つい後回しになってしまうこともあると思います。
今回は施策の継続に大切だったと思うポイントを、実際の事例と共に紹介したいと思います。
施策が後回しになってしまう理由
つい後回しになってしまう1つの理由は「企画側も参加側も、準備が大変だから」ではないかと思います。たとえば、輪読会の場合は
本を決める
読む
内容を整理する
スライドなどを作る
etc…
など、業務が忙しいときにはなかなか大変です。これを定期的にやり続けようとして、どこかでやめてしまったとしても不思議ではないと思います。
施策のハードルを下げるのがポイント
振り返ってみると、私たちが数年間続けられた1つの要因は「施策のハードルを下げているから」ではないかと思います。
皆さんは習慣化のポイントをご存知でしょうか?
新しく何かを始めるときは張り切る人も多いと思うのですが、実は気合を入れてハードルの高いことをやると、挫折する可能性も高まることがわかっています。そのため、どんな習慣もまずは「小さく始める」ことが大切とされています。
輪読会の運用事例
私たちが現在行っている輪読会の実際のやり方を紹介します。
ハードルを下げているポイントは、共有方法とルールの部分です。
共有方法については、スライドをしっかり作る必要はなく、感想や気づきをツイート(ポスト)して見せるだけでもOK、Kindleにマーカーを引くだけでもOK、究極的には口頭での共有もOKとしています。各自が負担に感じにくい方法を選べるようにしています。
また、タイミングによっては「今週は仕事がピークでどうしてもできない…」という時もあると思います。そんな時はオブザーブや途中まで読んだ状態での参加もOKとしています。
このようにハードルを下げて、とにかく続けることに重点を置いています。
ハードルを下げて続けた結果、振り返ってみると結果的に多くの本を読むことができました。上記は実際に読んだ本の一例ですが、デザインに限らず、ビジネス、プロダクトマネジメントに関する本も幅広く読めています。
チームで輪読会をする良いところは、自分の興味範囲外の本に出会えることです。興味範囲の異なるメンバーがそれぞれの読みたい本を提案して決める形なのですが、自分がまだ興味を持てていない分野の本が決まることもあります。しかし、「読んでみたら意外と面白かった…!」という本に出会えることも多く、知識の幅が広がっているなと感じます。
社内LTの事例
次に社内LTの実際の運用方法も紹介していきます。
輪読会と似ているのですが、共有方法は各自のやりやすい形でOKとしています。
また、「自分にとっては学びだったけど、他の人はもう知ってるんじゃないか…?」と考えてしまうとハードルが高くなってしまいます。共有してみるまで他の人にとって学びになるかはわからないので、自分にとって学びだったことであればどんな内容でもOKとしていました。
2つの施策を振り返ってみると、ハードルを下げてまずは続けることに重きを置いた結果、長い目で見ると大きな蓄積になっていると思います。まさに「塵も積もれば山となる」のような状態です。
短期ではなく、長期での効果を狙いたい
ここまで来ると「とはいえ、ハードル下げすぎたら効果は薄くなるのでは?」と思うと思います。
たしかに、短期的にはすぐに効果が出ないこともあります(目の前の仕事にすぐ使える知識をインプットするケースは別ですが)。どちらかと言うと、長期的にジワジワと効果が出てくるものと捉えています。
たとえば、インプットやアウトプットの量が増えたことで、その速度が上がり、仕事の様々な場面で活きているように思います。「本は全然読まなかったけど、今は輪読会以外でも自分で本を探して読むようになった」という変化を感じているデザイナーもいます。
また、知識の幅が広がることで、ふとした時にPdMやエンジニアと共通言語を持って会話できる瞬間もあります。彼らが前提としている知識や考え方を理解することにも役立っています。
ハードルの低い「小さな施策」によって、普段なかなかやれない第II領域に取り組む機会として組織施策を活かせるのだなと、私自身も振り返ってみて学びがありました。また、少し大袈裟ですが、小さな施策によっても組織の文化は形作られていくのだろうと感じています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
「小さな施策」は輪読会や社内LTに限らず応用できるので、「やってみたい施策があるけど続けられるイメージがない」という方のご参考になれば嬉しいです。
なお、社内LTは現在note執筆に変わっており、メンバー全員で月1更新を目指してやっています。
良ければ是非、今後も読んでいただけたら嬉しいです!