執着について ②
インドの聖者からの教え その8
前回、執着から解放されたほうがよい理由、執着が生まれるメカニズム、執着かどうかを見極めるポイントについて、お話した。
今回は執着のカテゴリーについて、みていこう!
この執着には大きく分けて3つのカテゴリーがある。そして、それぞれに対して、3つずつのサブカテゴリーがある。
❶肉体への執着
①容姿・スタイルへの執着
②健康長寿への執着
③快楽への執着
❷パワーへの執着
①プライド・自尊心への執着
②人、物、お金の所有への執着
③地位、ポジションへの執着
❸信念への執着
①自分への執着
②他者への執着
③人生への執着
まず、❶肉体への執着について、みていこう。
①容姿・スタイルへの執着
特に女性に多い。
自分の容姿やスタイルに対して劣等感があり、苦しみが生まれる
容姿スタイルが整っていても、現状に満足できず、内側に苦しみを
生むことがある。
②健康長寿への執着
特に富裕層に多い。
死への恐れと連動している。
③快楽への執着
五感を通して入ってくる快楽への執着。
性的な快楽も含む。
次に❷パワーへの執着について、みていこう。
*人や社会に発揮できるパワーは2種類あり。
1.suffering stateからくるパワー=支配とコントロール
2.beautiful stateからくるパワー=愛
*執着があると支配とコントロールのパワーになりやすい
①プライド・自尊心への執着
成功者に多い。
築き上げてきたものに対する自負が執着となっている。
リーダーがこの執着を持っていると、メンバーを支配、
コントロールしようとするため、チームはうまく機能しない。
②人、物、お金の所有への執着
本質的にすべてのものは誰のものでもない。
口座に入っているお金さえも個人のものではない。
一時的に個人のもとにあるだけで、お金は巡回しているので、
個人のものとして手元に所有し続けることはできない。
③地位、ポジションへの執着
人はすべからく、何かしらの地位やポジション、役割を演じている
CEO、役員、リーダー、母親、先生 など
地位やポジションへの執着を解放することで、人や社会に対して
発揮できるパワーが、支配・コントロールから愛にシフトする。
最後に❸信念への執着について。
①自分への執着
自分はこういう人間だ、自分にはこういう才能しかない、
自分はこういう環境で育ったから私はこうだ、
自分への決めつけによって、自分という枠の外側に出られずにいる
状況を引き起こしている。
②他者への執着
他者に対して、その人の嫌な部分だけを切り取って、
この人はこういう人だというふうに決めつけて判断し、相手に対して
心が開かないで、壁を作り続けていると、本当の高い意識のレベルに
シフトしていくことはできないため、向き合っていく必要がある。
③人生への執着
人生に対する信念(思い込みや決め事)に執着し過ぎると、
それができなくなった場合に落ち着かなくなり、suffering stateに
陥ってしまい、ストレス、苦しみを生む。
〈全ての執着に共通する特徴〉
・盲目的で視野が狭い
・過剰さ
・ネバーエンディングストーリー
理想と現実の自分のギャップの欠乏感が埋まることがない。
執着がが消えると、この差を感じなくなり、そこから解放される。
執着がなくなると、人から何をどういうふうに言われようが全く負の感情が湧いてこなくなる。
究極的にはそういうことを言う人が目の前から消える
この肉体、パワー、信念への執着からは全て解放されていく必要がある。
執着という枠の中で自分の内観をした際に、最も強い執着がセンターピン。
そこから順番に解放していくとよい。
瞑想の中に深く入っていくとより気づきやすい。
あなたにとってのセンターピンはどの執着だろうか?