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『ミッドサマー』考察ネタバレ,ペレやミートパイ、あらすじラスト結末
『ミッドサマー』のディレクターズカット版を鑑賞。通常盤よりも狂気がさらにはみ出していて非常に面白かった!1回目にみた時よりも解像度が数段上がったので新たに考察をしてみた!
映画『ミッドサマー』ネタバレあらすじ解説
あらすじ1:絶望と旅立ち
アメリカの女子大生ダニーはパニック障害を抱えていた。
ある日、双極性障害を抱える妹からおかしなメールがきたので、ダニーは気になって何度もメールを返すが返信はない。妹はガスで自殺し、両親も道連れにしていたことがわかり、ダニーは絶望する。
数ヶ月後、ダニーの彼氏・クリスチャンが仲間のジョシュやマークと、大学の友人ペレの故郷スウェーデンに旅行する計画を立てていることが発覚。ダニーもついて行くことになった。
あらすじ2:ホルガ村・障害者の聖典
飛行機での旅を終え、スウェーデンのペレの故郷近くに到着。
ダニーたちはペレのコミュニティのイングマールという青年から、マジック・マッシュルームというドラッグを分けてもらい、スウェーデンの美しい草原の中で幻覚をみる。ダニーは妹や両親の悪夢をみた。
翌日、ペレが育ったホルガという村に着くと、ダニーたちは白い服をまとったコミュニティの人たちに歓迎される。
ホルガ村では90年に1度の夏至祭が開催された。ダニーたちは老人たちが崖から飛び降り、自ら命を断つ儀式を目撃してパニックに。
しかし、文化人類学を先行しているクリスチャンやジョシュは、村人たちの行動に一定の理解を示すべきだと言い、卒業論文のために研究したいと村の代表の許可を取った。
ジョシュは村人から、近親相姦によって意図的に障害者を産ませ、曇りのない彼らの心で「ルビ・ラダー」という不思議な聖典を作り続けていると説明を受ける。
あらすじ3:失踪者続出
滞在を続けるダニーたちだったが、イギリスから来た部外者のカップルが突如帰国するなど奇怪なことが続いた。
マークは、村の若い女性に誘われてどこかへ行ったきり姿が見えず、ジョシュも見当たらない。
若い女性が参加する、ポールの周りで踊り続ける儀式にダニーも参加。天然のドラッグドリンクを飲んで踊り、最後まで立っていられたダニーは女王と呼ばれ、崇められる。
一方、クリスチャンはドラッグを嗅がされ、外部からの子種として、村の若い女性と性交を強要されていた。
ダニーはクリスチャンの行為を目撃し、パニックを発症。マークやジョシュ、イギリスからの若者も全員殺されていることが判明した。
あらすじネタバレ4:ダニーの決断
ホルガ村では、夏至祭に9人の生贄を捧げなければならないことが説明される(これまでの犠牲者を含む)。
ダニーは女王の義務として残りの生贄を選べと言われ、恋人のクリスチャンを指名。
クリスチャンは、薬で動けない状態で熊の生皮を着せられ、他の生贄と共に黄色い小屋に入れられる。
小屋に火がつけられた。村人たちは燃え行く小屋を見ながら、大きな声でわめいている。
ダニーも叫んだ、絶望で歪んだ表情が、ゆっくりと微笑みに変わった。
映画『ミッドサマー』END!
なぜダニーは最後に笑ったのか?
主人公・ダニーが生贄にされたボーイフレンド・クリスチャンと他8名が燃えるのを見て笑う意味不明なラスト。
最初に見たときはダニーは自らの精神的なトラウマを治癒させたのだと考えた。ディレクターズカット版を見て、なぜトラウマが治癒したか理由がわかった。
それは、ホルガ村が死の決断を肯定する文化だったからだ。ダニーは妹・テリーが両親を道連れに自殺したことで大きなトラウマを負った。しかしホルガ村の夏至祭では、よそ者だけでなく落下した老人やイングマールなど、村民も儀式で自死を選ぶ。自殺が肯定される場所…つまり、妹の自殺を止められなかった自分の過去が肯定される唯一の場所なのだ。
ダニーはこの異様な空気の中でしか生きられないと悟り、受け入れたから笑ったのだろう。
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夏至の儀式、ペレの真意、人肉ミートパイ
ダニーがホルガ村を訪れたのは自分の誕生日だった。そして仲間が次々と殺される凄惨な儀式を経て、女王となり仲間に迎え入れられる。
夏至は本格的な夏の始まりである。ダニーの人生もスウェーデンのホルガ村で本格的に始まるという意味があるのだと思った。
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