AI問題を音楽のグルーヴから考える、素人のAI論その1
チャットGPTが世間を賑わせてしばらく経つ。
ファンクやR&Bなどブラックミュージックが大好きな私の最大の関心は、AIは音楽におけるグルーヴを生み出せるのだろうか?という点。
私の仮説や現状を述べるなら、AIが音楽は作れるのは明白だが、人間を踊らせるグルーヴのある楽曲を作るのはかなり苦手では!?というもの。
理由は、その楽曲のリズム・グルーヴ(心地よさ)は楽器同士の相関で決まるからだ。
つまり、他のパートを聴いて何らかの反応して演奏しなければグルーヴは生まれない。
1つの楽器がほんの少しでもズレたらアウトなので、人工知能側からしたら言語化できないやってはいけないことが無限にある状態。全ての瞬間にフレーム問題が起こる状態。(この辺は異論があればぜひコメント頂きたいです)
(生身のミュージシャンは言語化できないやってはいけない無限のパターンを経験で避けることができる)
もちろん人間のミュージシャンの監修のもとで条件を指定して、修正を何十回、何百回と続ければそれらしいものはできるだろう。
でも、それなら人間のミュージシャンが演奏した方が早いのでは(笑)。
現在、Youtubeには生成AIを使用して作られた楽曲がたくさんあるが、「悪くはないけど、人間が作ってるやつの方が心地よいという領域を超えるのに時間がかかる」という感想。
AIがリズムや演奏の微細なニュアンスを生み出そうとするときに、最大のものが抜け落ちる。それは音楽に対する反応だ。
機械は音楽に対して反応しない、感想も持たない。「このキックのタイミングと音色がやべえ!ノリノリじゃん!」と、テンション上げながら演奏したりしない。
例えば人間であれば、ベース担当はドラムのトラックを聴きながら演奏し、リズムの核となる部分ができ上がる。ボーカルなら、オケを聴きながら歌うことで曲にバッチリハマるわけだ。
そこで人間は“反応”している。つまり何らかの感覚、噛み砕いていえば瞬間的な感想を持って演奏している。
機械には肉体がないのでこの“反応”ができない。
巷では規制派と推進派の議論がそこまで進んでないように思われる。
全米映画俳優組合のストライキは俳優側が条件面で勝利を掴み取り、AI規制派の先頭を突っ走っているようだ。
AI規制も段階的には行わなければならないのかもしれないが、AIが人間のように“反応”できないという視点から、楽しく共生できる余地があるのではないだろうか。