シンプルルールが世界を支えているといっても過言ではないという話

世の中はひどく複雑です。

そんな複雑で無秩序な世界にシンプルなルールを投じることで、途端にうまくいくことがあります。

例1:戦時中で次々と患者が運ばれてくる中、どんな処置をするべきなのか、だれを処置すべきなのか…ということを総合的に判断するのはとても大変です。

そんな中、「トリアージ」を戦時中の負傷者に行ったことで、生存率が大きく向上したという事例があります。

「トリアージ」とは「選別」を意味する言葉ですが、たった3つのシンプルなルールに基づき、4つのカテゴリーに患者を分類することで、だれを優先して治療するかを決めたのです。それによって、早期治療をすれば救える命を救えるようになり、スタッフも何をすればいいか明確になったので、効率が大幅に向上しました。

例2:鳥の群れの動きをコンピューター上でシミュレーションするために、ある研究者はたった3つのルールをプログラムに与えました。

1.隣の鳥に近づきすぎない
2.隣の鳥から離れすぎない
3.隣の鳥と動きを合わせる。

この3つのルールで、まるで本物の鳥の群れのような動きをコンピューター上で再現できたのです。

1つ目の例は、シンプルなルールを設けることで物事をうまく進めることができるという話。2つ目の例は、多くのことはシンプルなルールによって成り立っているという話です。

2つ目の例のように、学問を学ぶ醍醐味の一つが、このようなシンプルなルールを見つけることにありますよね。

美しい数式は大抵シンプルですし、ニュートンの運動の法則もたった3つの法則で多くのことが記述できます。○○の法則、○○の原則などというものは、大抵シンプルで、それに関連することをきちんと把握しているからこそ見つけ出すことができたものなので、複雑なものよりある意味でハイレベルなものです。

このことから学び、新たなシンプルルールを作り、複雑なものを明快にすることで成功を収めたのが、1つ目の例です。何かを成し遂げたいと思うのなら、この「トリアージ」のように、単純明快な…シンプルなルールを作ることが一番効果的です。

シンプルだからこそ柔軟に対応できるし、瞬時の判断もでき、また覚えることも簡単だからいつでも適用できます。

その対象は、人生の目標、恋人選び、仕事の進め方、日課、ダイエット、人間関係など様々なことに適用できます。ジャンクフードを食べたら次の食事で野菜を食べるとか、朝起きたらスクワットを10回するとか…。

しかし、2つ目の例の話のように、本当に効果的なシンプルルールは、そのことについて深く理解しているからこそ生み出されるものであることが多いです。だからといって、考えているだけではいつまでたってもシンプルルールを作ることはできません。シンプルルールを作り出していくには、3つのステップがあります。

1.まずはつくること
2.ためすこと
3.そして改善すること

このシンプルなルールに基づいて、ぜひ皆さんも自分のシンプルルールを作ってみてください。

参考文献:SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える(ドナルド サル)

ps
私のシンプルルールの一つは、「本当にやりたくないこと以外はとりあえずやってみる」です。

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