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【落語編】不動坊

こんにちはYouthです。
今回紹介する落語は、不動坊です。

あらすじ

独身の吉兵衛は真面目でしっかり者だった。働いて得た金を遊びに散財することなくちゃんと貯蓄もしている。そんな吉兵衛を見込んだ家主は、ある縁談を持ちかける。

紹介しようとしてる女は長屋の裏に住んでいるお滝だった。お滝は講釈師・不動坊火焔と結婚していたが、不動坊が興行の旅の途中で腸チフスで急死してしまい、いまは未亡人になっていた。

しかも病気の医療費や葬式代にかかった三十五円の借金を残して…。お滝はなんとかこの三十五円を働いて返さなければならず、もしできたら立て替えに協力してもらえる人と結婚したいと言っているという。

吉兵衛は密かに美人のお滝に恋い焦がれていたので、迷いなく即答で承諾。

吉兵衛は婚姻の儀の前にさっぱりきれいになろうと銭湯に行き、結婚後のことを思って妄想にふける。なにせ惚れてたお滝と自分が結婚できるのだ。幸せの絶好調で調子に乗り、普段言わないお滝に惚れている仲間たちの悪口をポロっと言ってしまう。それを銭湯にきていた仲間の一人に聞かれてしまう。

怒りと結婚への嫉妬が収まらない仲間たちは復讐を思いつく。今夜、死んだ不動坊火焔の幽霊を出し、二人を驚かして結婚を破談にさせてやろう。幽霊役には売れない噺家を引っ張り込むことにした。

婚礼が終わった夜、いよいよ実行。みんな長屋の屋根に登り、幽霊の衣装をまとった噺家を帯で吊り、吉兵衛の家の窓の前に下ろす。「不動坊火焔の幽霊だ。よくも私の嫁を奪ってくれたな。許さんぞ」
さぞかし怯えるだろうと思ったのだが、吉兵衛はなぜか平然としている。

吉兵衛〉あんたが残した借金を誰が払ったと思うんですか?
幽霊〉……。そんな話は聴いてない。
吉兵衛〉せっかく遠いあの世からきたんだ。ここに10円ありますので、これで帰りになにか買って帰ってください。
幽霊〉なに? 10円? ……考えてもいい。。。

金を受け取った幽霊だが、なかなか浮き上がっていかない。

吉兵衛〉さては、宙に迷っているのか?
幽霊〉いいえ、宙にぶら下がっております

所感

あんまり調子に乗って人の悪口は言うもんではない。

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