中学受験は運ゲーという話
僕自身、中学受験の経験もあるし中学受験の指導経験もありますが、皆さんの想像している以上に中学入試は運ゲーの要素が強すぎるのです。
何より大きい個人の発達の差
中学受験する12歳前後というのは、人によって成長スピードのばらつきが最も大きな時期になります。身長でも、この時期に背が高い人が20歳になったらあまり高くなかったなんてことはよくあります。そもそもの認知能力に差が生じてしまうため、勉強は頑張ってるのになかなか問題が解けるようにならないというのはよくある話です。算数や国語は、偏差値55程度の学校の問題が解けても、偏差値60以上の難関と呼ばれるところには全く歯が立たないことも当たり前です。努力して解けるようになることが珍しい。
大人と子どもは世界の見え方が違う
当たり前ですが、大人と子どもは世界の見え方が違います。国語の文章問題一つとっても、例えば恋愛の話だとしても、それに対する経験値も知識量も違えば、当然答えを導くのに苦労する人が出てきます。算数でも同じで、私たちはつい、式を羅列して考えがちですが、訓練を積んでない小学生にとってはそれが難しかったりします。むしろ、簡単な図を書けば指揮を書かないで問題が解けるなんてことがほとんどです。この辺の話はまた後日。
そもそも塾の先生に知識がない
塾の先生のほとんどは、大学受験を頑張った人です。ゆえに中学受験の勉強なんて後回しという人が多い(※中学受験指導のトップ塾は違いますが)。とはいえ、最大手のSAPIXでさえも学生アルバイト講師が担当することがおおく、その人たちが中学受験の経験があったとしても古き良き思い出となってることがほとんどでしょう。
では、トップ講師だから良いかと言われるとそうではありません。トップ講師は、たしかに説明力はあるかもしれませんが、この時間でこれくらい進めなければいけないというノルマゆえに問題を解くまでの試行錯誤は一切教えません。神から与えられた解き方をまるで最初から思いついたかのように説明していきます。
大学受験の常識と乖離した受験指導
個別塾も集団塾も、何より過去問の研究は行いません。大学受験生なら自分で分析して傾向を掴んで、、、という作業ができるかもしれませんが、小学生には非常に大変です。しかし、塾は決まったカリキュラムをこなすのが仕事ですから、そこに過去問研究が入ってくることは稀です。志望校別対策コースというのがあったりしますが、中古車一台分くらいの出費が追加でかかるような世界です。
大学受験の世界ですら、過去問を分析しないことが多いのに、中学受験は言わずもがなというのが現状です。
以上が、中学受験が運ゲーすぎる理由でした。中学受験は大学受験ほど子どもが主体性を持って行わないため、ゆえに講師ガチャ、才能ガチャ、塾ガチャになりがちです。競馬をやってるおじさんが自分を責めないように、もし仮に中学受験でうまくいかなかったとしても、決して気にする必要はありませんよ。