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書評 224 「ぼくたちには『体育』がこう見える」

スポーツは善で体育は悪。その見方に「本当にそうなの」と疑問を出す。

スポーツはトップを目指す選手もいれば、ただ楽しみを求めてやる人々もいる。それは個々人の自由だ。一方、体育は教育である以上、基準や規制がある。その不自由さが個性重視の風潮では悪と見られる。

しかし、体育にはもっと可能性があるのではないか。その題材の下、為末大さんが様々な分野の人たちと行った対談集。出版元が教育関連に強い大修館書店というのも面白い。

体育は定められた技能(例えば逆上がり)をできるようにすることが目的と考えられている(九九の様に)。しかし、個々人が自分の体の操作法を習得する方法を学ぶと考えれば、生きる糧につながる。言語化というが、その逆で知識を体で表現、体験することで直感的に理解したり、理解の幅が広がる面に注目したいと言う。本書にはたくさんの視点が収められているが、この点が最も響く。

学びの考察に新しい視点をくれる一冊。


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