書評 196 「為末メソッド」
著者が長年唱えている「人間を知りたい」。その探求と、自身が現役時代に考えて実行したことを重ね合わせて書籍やwebメディアで発信をされています。本書はそのエッセンスを整理して、100の見出しにまとめている。
元陸上選手ではあるが、トレーニングや技術的なことは書かれていない。副題は「自分をコントロールする技術」。ただし、メンタルトレーニングのテクニカルなことではなく、考え方やモノの見方が中心。為末さんが見出した、自分が納得できる人生を送る為の「生き方」に近い。マニュアル本ではないけれど、指針をくれる。
雑に過ぎるかもしれないが大きくまとめると、他者に左右されず自分に正直に、自分には知らないこともたくさんあって不完全であることを認め、考えてはトライし続ける。そして、新しい発見とそこにたどり着いた自分を褒める。こんなことだろうか。
パラパラとめくってヒントを見つける。そんな読み方が馴染みそうな一冊。