リクルートで3年半働いて気付いた採用力とは

私は2016年4月にリクルートに入社した。

入社して3年半をIT業界のスタートアップや中小企業の中途採用企業担当として100社以上を担当した。

3年半かけて、一番多く採用ができた中小企業とできていない企業の差は何かとずっと考えながら仕事をしていた。

結論は

1『社長の理念や思想が働く従業員にとって魅力的で、会社の仕組みや行動に落としており、一貫している。』

2『採用パートナーであるエージェントなどの担当、キャリア担当とのリレーション構築をしっかりとしている。』

3『採用に対して社長や経営者や採用担当が採用に本気でやれることは全てやる。』

という上記3点が見えてきた。

1に関しては、例えば社長がいくら「社員を大切にしている」と言っていても行動に起こしてなかったり、仕組みに落としていない企業は意外とたくさんある。やっていたとしても中途半端な場合が多い。

私が一番採用成功していた企業は、「社員一人一人が自分らしさを発揮してやらされ感ではなく、やりたいことができる状態を作りたい」というビジョンを掲げていた。

そのビジョンをどうやって行動しているかという例を挙げる。

・エンジニアがやりたい案件や身につけたいスキルを身につけるために、社長が自らエンジニアと面談をして、そのエンジニアのために社長自らが営業して案件を取ってくる。

・エンジニアが案件に入って、月に2回ランチミーティングを社長自らエンジニアと行い、もし人間関係が合わないやひどく残業をさせられるなど、社員が案件先に不満の場合はすぐに社員を案件から引き上げる。

・残業代は固定ではなく、全額支給

・退職金、資格手当、社員旅行支給、勉強代支給、他多数の福利厚生

他多数。

社長になぜここまでやるのかを聞いたことあるのですが、「俺は自分の社員を本当に尊敬しているんだ」と酔っ払いながら飲みの席で言われた。

そして、社長は元々、エンジニア転職支援をしていた過去を持っており、エンジニアがどういったことに悩んでいて、何を制度として欲しいかを理解しており、エンジニアがあったら嬉しい制度は全部人事制度として作るという考えで多くの福利厚生を作ったとのこと。

私もここまでやるのかと感動を覚えて、「この企業のために頑張りたい」と本気で思った。

2に関しては、担当とのリレーションを構築する手法に関してだが、ここでも私が一番採用決定した企業の例をあげる。

初めてこの企業の社長に会った際に、「初めまして、私は君を信じようと思っているから君が良いと思った候補者は全員に会うよ、だから君に書類選考の権限をあげる」と言われた。

なんと、最初からエージェントの一担当の私に権限委譲をした。

まずは、自分が相手を信じることで相手も自分を信じるということだなと感嘆した。

他にも、『エージェントの求職者担当者(大手エージェントの場合は、企業担当と求職者担当が分かれている)は多くの企業を担当しているけど、普段接することが少ない企業がどういったことを考えているか知りたいだろうから飲み会セッティングしてよ。』

こっちのメリットにもなる提案をしつつ、自分の企業を候補者を紹介する担当に認知させるという会社のメリットと両立するような提案をされた。

これにより、私は求職者担当と担当企業と定期的に飲み会を開催して、私といえばこの会社、そして、この会社といえば社員を大切にする会社と求職者担当ほぼ全員に認知された。

それが功を奏したのか、私が担当したてのころは10人程度しかいなかった企業が3年半後には30人規模になった。

3は言わずもがなで、欲しいターゲットと会うためならやれることを何でもやるというスタンス。

例えば、

・土日行われる採用セミナーへの積極的な参加

・選考の結果出しやメールのレスの速さ

・採用を最優先にして、仕事のスケジュールを調整する

・会社が自ら候補者に面接確約オファーをたくさん送る

・面接の場をジャッジの場ではなく、お互いのことを深く知り、相手のためになるアドバイスをしたり、会社の事を良いことも悪いことも本音で話して、相手にとって会社が合うかどうかを本音で答える本音の場とする。

上記の例は一例ですが、このように採用成功に結びつく行動を数多くやっている企業や熱量高くやっている企業が採用決定に多く結びついていた。

人と本気で向き合い、人を大切にするということを本気で行動で示して、出会う場を作るためにやれることをとにかくやる、やっていく中で改善していくという姿勢が採用力の源泉であると3年半通じて強く感じた。

私は会社、組織は人が作っており、これからは本当の意味で人を大切にしない会社や組織は淘汰されていくのではないかと考えている。

そもそも、なぜ、この文章を書いたかというと昨日お客様と飲んでいた際に「もっと自分自身の経験を誰かと共有しなよ」と強く言われたからである。

私はまだまだ自分の経験や自分を大した人間だと思っておらず、こんな自分の経験なんて本当に誰かの役に立つのかと半信半疑だが、お客様に今までの仕事の姿勢や考えを話したところ。

それは共有しないともったいないということを言われてこの文章を書いた。

今後もゆるーく、自分の経験で気づきや学びを得たタイミングで発信をしていきたい。

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