孫さんがArmを買収して、売却した理由
先日ソフトバンク社がArm社を4.2兆円で売却したニュースが話題となった。
今回はなぜ孫さんがArm社を買収し、売却をしたのか考察したいと思う。
〇Arm社とは
・全世界で年間148億個のチップを作っている会社
・アプリケーションプロフェッサーで85%以上のシェアを誇る
簡潔に言うと携帯電話やニンテンドースイッチなどに使われる部品を作っている会社
〇なぜArm社を買収したのか
そもそもなぜソフトバンクグループの孫さんは
Arm社を買収したのか。
調べたところ大きく分けて3つだ。
①基盤技術を保有するマーケットリーダー
②モバイル、エンタープライズ、IoTで成長するポテンシャルがある
③長期的な潮流に対して投資するソフトバンクグループの投資戦略
孫社長はシンギュラリティに非常に関心がある。
すなわち人類の知能にロボットの知能が優れる時点において、インターネットにつながったIoT機器が10兆円に達する。
そうなった、未来においてもArm社が保有している技術(チップやアプリプロセッサー)は活用されると推測したため買収した。
シンギュラリティとは
未来学上の概念であり、人工知能(AI)自身の「自己フィードバックで改良、高度化した技術や知能」が、「人類に代わって文明の進歩の主役」になる時点の事である。第4次産業革命としても注目を集めている。(wikipediaより引用)
また、孫社長は囲碁に例えて、投資戦略について以下のように語っている
「素人はすぐ隣に石を打つ、プロは遠く離れた所に打ち、50手目、100手目になってから力を発揮する。
私(孫社長)は7手先を読んで手を打つ」
〇なぜArm社を売却したのか
売却した理由に関しては調べた所、下記3点にまとめられる。
①WeWork問題、コロナ禍での投資先企業の株価下落、業績が急速に悪化
したことにより手元のキャッシュが必要になった。
②Arm社を2023年に再上場させるか売却させるか天秤にかけて、上場より売却の方が利益を出せると判断した。
③売却先のNVIDIAの売却条件に売却額のうち120億ドルが現金で、215億ドルが株式で支払われ株の一部(6.7%~8.1%)を保有することができ、NVIDIAの
大株主になることで引き続きArm社の利益に間接的に関与できる。
特に③が大きな理由として考えられる。
2016年に3.3兆円で買収して、4.2兆円で売却してほしいという売り先としての条件が出揃ったのだろう。
利益も出せて、株式も保有できるという株を売る条件として最適な条件をNVIDIAが出したことが売却を後押しした要因だろう。
今回、調べて孫社長の7手先を読むという思考やシンギュラリティを見据えてマーケット状況を想像して、最適な投資先に投資をするという戦略が見えてきた。
今後もソフトバンクグループ、孫社長の投資先の動向を追っていきたい。