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C103新刊「月鈴姉妹の、ある一日の話」を、筆者がちゃんと解説する話

おはようございます。あるいはこんにちは。はたまたこんばんは。嘘つきはねこつきの始まりです。ねこつきこたです。

2023年12月30,31日に東京ビッグサイトにて行われました、「コミックマーケット103」に私ねこつきこたの同人サークル「月明かりの白猫」もサークル参加させて頂き、無事に新刊を皆さんにお届けすることが出来たわけでございますが、やはり小説といった形での頒布なのである程度説明やら何やらが欲しいかなと思い、この記事を書いております。

これは素晴らしい表紙

まず、お礼を。今回の新刊は40部刷らせて頂いて、内2部は自分用と運営提出用だったので残り38部全てを皆さんの手に取っていただく結果となりました。本当にありがとうございました。(まだ1部だけ手元にありますが譲り先自体は決まっています。)

無事完売した図

そして、本作ですが早くてGW頃に再販するつもりでいます。もっとたくさんの人に届けるぞー!の気持ちです。そんなに部数を刷るつもりは無いですけど……。また決まり次第お伝えします。

さて、こんな感じで始まった当記事ですが早速本題の方に入っていこうと思います。完全なネタバレ記事なので、読んでいない方はあまり見ない方がいいです

一 白奈が、寂しがる話


まずこの作品の時系列的にはお姉ちゃん卒業後だけど進級前、つまり2nd seasonよりちょっと前です。イロドリミドリ旧ロゴの時代。5年近く前ってことを考えると懐かしいですね。1番イロドリミドリを追いかけていた時代です。
本作では月鈴姉妹のご両親には那知の元に向かって頂いています。ご都合主義。2泊4日となっていますがこれは誤字や誤植ではありません。(一応)那知の留学目的は音楽なので、音楽での留学と言えばオーストリア(オースト″ラ″リアではない)だよな、という解釈をした結果こうなりました。実際に羽田空港から首都ウィーンまでが片道17時間半以上かかるフライトなので本当に2泊4日になります。多分。ただ、オーストリアに行ったという解釈をする上で、那知が災凰ほむらというVTuberになってしまったのは結構な誤算でした。オーストリアにVTuber事務所関係者がいるってことあるのかな……?ということでその時は適当に違う国ふらついてたくらいで解釈してください。
あ、「ケーブルタイズ(cable ties)」は英語で「結束バンド」って意味です。別に全然まんま出してます。ちょい出しなので許してください。
カレーの隠し味でコーヒーを入れる描写がありましたが、これは作業通話中にイラスト担当のちえりからの鶴の一声で生まれた描写です。どうやら深みが出て美味しいらしい。是非お試し下さい。
摩訶不思議な色をしたポテトチップスは特に元ネタがある訳でもなく、「まあ那知なら食べるだろ」という安易な考えの元生まれた場面です。

イラスト担当ちえりとの会話

そんなことを気にするな。めんどくさいのでタイ辺りの国のポテチってことにしておきます。
あと餞別は遠くへ行く人に送る物なので、白奈が那知に送る場合に使うのが正しいです。つまり、那知は普通に間違えています
この辺りの場面は3rdアルバム収録のラジオドラマ第25.1話「さよならなんかは言わせない」の直前くらいになります。聞いた事ない人は聞くといいと思います。
あっ、10pの4行目は普通に誤字ってます……。「補修」ではなく「補習」です……。今見つけた……。
扉の押し引きの違いですが、1st season第15話「Still」の冒頭をよく見て貰えると分かる人には分かると思うんですけど、扉の開き方本当に逆なんですよ。本書いてる時に初めて気付いた。念の為他の人にも確認してもらいましたが、多分本当に逆になってると思います。違ったらすみません。「グエッ」は白奈初登場回の再来です。
一章はこんな感じかな。他にも聞きたいことあればぜひ。

二 笑いながら追いかけた、あの日の話

イラスト担当ちえりがリメイク前から1番気に入ってるお話です。実は裏表紙にこの話をモチーフとしたイラストを載せるかもしれなかったのですが、スケジュールの都合上叶いませんでした。無念。
この章題はまんま「夢と夢」の歌詞ですね。この章の内容も「夢と夢」の歌詞「風に舞った 麦わら帽子 笑いながら 追いかけたあの日」をそのまま物語に書き起こした感じになります。
白奈と那知の幼少期の口調はグッズキャンペーンで配布されたSTILL GOING ON!!!!!!!の付属CD「GO!GO! チュウニズム[布]」に収録されているラジオドラマ「二人の、変わったり変わらなかったりするものの話」の冒頭部分を参照してください。年相応な白奈と既に現在の口調になっている那知。
地味に困った部分があって、それは何かと言うと2人が遊んでた河川敷です。2人が住んでる練馬区に河川敷なんてねぇじゃねぇか(当社調べ)。いやまあ、地方民なのでよくは知らないけど。練馬に河川敷があれば、家が近いって設定にして2人だけで遊びに行かせるつもりがこれで予定が狂いました。場所を考えると幼い2人だけで遊びに行かせるわけには行かない、という強い意志が発動したことにより、両親に連れてこられたという設定に変えることになりました。あと小さい白奈は絶対に物にさんをつけて呼ぶ(こともある)タイプだと思います(どうでもいい)。
「風に揺れる セーラーリボン 幼い頃は お揃いだった」なんて歌詞も大好きなのでそれも最後の方に入れてみました。

ちえりの過去アカウントより。勝手に使いました(照)

二章は多分こんなもん。

三 あの日の、メロディの話

章題自体は「夢と夢〜あの日のメロディ〜」から取ってます。内容はグッズキャンペーンのCD「GO!GO!チュウニズム♥」のシークレットトラックに収録されているラジオドラマ「白奈の、一番大事な曲の話」がメインです。とりあえずこれは聞かないと損です。聞いてください。
スピーカーの右側がない話はラジオドラマ第66話「なるとなぎがしろにゃーのうちを荒らしに行く話」参照。
白奈が手に取った、「大きな満月に照らされた夜空に、紫の道化師のような人物が飛んでいる」ゲームは「ナイツ 〜星降る夜の物語〜」というWiiのゲームです。「夢と夢〜あの日のメロディ〜」の原曲「Dreams Dreams」が主題歌として使われてるあの作品です。発売日も現実と一緒です。ちなみにねこつきこたはこのゲームをプレイしていません。許して。
作中のゲームの描写も一応ちゃんとプレイ映像などから忠実に文字起こししたものなのでYouTubeとかに上がっているものを見てみるとわかりやすいかなと思います。あと主人公の少女ヘレンはマジでヴァイオリンやってます。しかも、成長につれてヴァイオリンから距離を置いてしまい、その罪悪感に苛まれるとかいう、あまりに白奈とシナジーが合う設定です。SEGAが恐ろしい。公式の紹介とかも確認してみると面白いかなと思いますが、残念ながらゲーム自体の公式サイトはFlashを利用するものだったため現在は閲覧が不可能となっています。凄くいいサイトだったのにとても残念。

四 白奈と、夢の世界の話

三人称から白奈の一人称視点に切り替わるという演出をした章です。これが実際は小説を書く上で結構良くない演出なんですね。ひとつのシーンで複数の視点がごちゃ混ぜになってしまったり、作品の一体感を失うきっかけとなってしまったり、視点の切り替わりは読者を混乱させる大きな要因になるのでタブーではあります。でも、夢って外の人物が語れるものではないし、登場人物の視点で語った方がいいな!っていう安直な考えでそのタブーを意図的にやってみました。これが吉と出るか凶と出るかはかなり悩みましたが、まあやってみてよかったのかなと思います。ただキャラへの解像度が高くないとしんどい部分なのであんまりオススメはしないです。三人称視点で書いた方が明らかに楽。
この章で登場するフードのお姉さんは後で分かることですが萩原七々瀬です。イラスト担当ちえりにも実は言ってなかったので大層驚かれました。

イラスト担当ちえりとの会話その2

元の作品では七々瀬って影すら出てこなかったんですけど、本作を執筆していてめちゃくちゃ悩んでいた時に突然湧いたインスピレーションのお陰で登場することになりました。

イラスト担当ちえりとの会話その3

そう、だいぶ最悪な理由で七々瀬が出ることになりました。マジでごめん。でもお陰で那知を動かしやすかったし、白奈と合流させるっていう大事な役割を持たせることが出来たので我ながらナイス判断でした。
この章に出てくる「ナイトメアン」は「ナイツ」に登場する敵キャラクターの総称です。ただイメージはゲーム開始時の主人公選択後で流れる映像からなので細かいところは多分ゲーム本編とは違います。取り込まれるとかなんとかは独自の設定なんじゃないかな?

幕間 親友の妹を救った、傷心少女の話

まさかの七々瀬視点です。ちなみに序盤の書き方ミスってます。入稿してから気付きました。「親友である那知」って七々瀬視点だと明らかに変な記述なので、「親友であるなっちゃん」に脳内変換してくれると助かります。
この章は本来書きたかった部分では無いので幕間としています。さすがに七々瀬にも救いが欲しい、ここから本編へ繋がるような話が欲しい、という気持ちで書いていた部分です。
那知を出すいいタイミング作りにもなった章なので書いてよかった〜の気持ちです。
「時計の針は、六時を指していた」は「星座になれたら」の歌詞「もうすぐ時計は6時」のオマージュです。時間的にも自然だったのでそういう所にも好き要素を詰め込んでます。
「また、なっちゃんに会えるかな」とかいうなななち要素をしっかり入れたところは自分的にはお気に入りだったりします。

なななち愛好家のイラスト担当ちえりの感想より抜粋

なななちを初期から推してるちえりも大満足だったようです。

五 白奈と、邪悪な道化師の話

まずは用語解説をしておきます。
・ナイトピア
「ナイツ」における夢の世界のことです。
・ベルブリッジ
「ナイツ」の主人公である少年少女が暮らす街の名前です。
ちゃんとこの辺は説明が必要だったなと反省。
赤色の道化師リアラは「ナイツ」に登場する悪役のナイトメアンです。逆に紫色の道化師ナイツは主人公味方をする唯一のナイトメアンです。詳しい設定は調べるのが早いかなと思いますが、大まかに説明すると
・大ボスがナイトピアの世界を悪夢(ナイトメアン)で支配しようとする。
・リアラもナイツも大ボスの手下のナイトメアンだったが、忠誠心の塊のリアラに対して、ナイツは自由奔放な性格でナイトピアの世界が好きだったので反逆。
・ナイツと主人公とでナイトピアを救う。
という感じの流れです。

あと白奈はこんなこと絶対に言わない!という様なことを操らせて言わせてる感じにしました。俺の心が苦しかった。本当に。でも那知は白奈にあんなこと言われたら本当に書いたみたいな態度を取りそうでこれまた辛かった。書く側のメンタルが問われるという章でした。

六 那知と、自由な道化師の話

さあ来ました那知視点。
秘技・鳳凰突進(フェニックスチャージ)
これは実は三次創作です。もう何だかんだで6年くらい親交がある倉火先生ことなきさんの同人誌のネタをリスペクトで使わせて頂きました。

倉火(@s_lovit)先生ことなきさん

読みは同じですがそのまま丸パクリはアレかなと思ったので、なきさんの同人誌では「鳳凰猛進」となっているところを「鳳凰突進」に変えています。一応そのお話をなきさんが全編公開してますのでぜひお読み頂ければと思います。
https://x.com/s_lovit/status/1179231857684209665?s=46&t=q-lf5n3Tw7XYNQDkTQDEHA

那知はどちらかと言えばおもしろ要員な部分が大きいので、割とコミカルにテンポよく進めたつもりです。シリアスはシリアスでちゃんと書き分けられたんじゃないかな。
白奈の口から出た言葉が白奈の本心じゃないということは那知視点からはわからないから、絶対那知は辛いだろうなってなってしまい、余計に那知視点で白奈の悪夢の世界を書くのは気持ちがしんどかったです。でもここからハッピーエンドに向かっていくから……と自分に言い聞かせて頑張って書きました。

七 那知の、ただ一つの大事なものの話

那知の大事なものは妹に決まってるだろ!!!!!!!いい加減にしろ!!!!!!!
ということでまた引き続き白奈に酷いことを言わせる場面です。心がしんどい。
少しこだわって入れた部分があって、それが「綺麗に澄んでいたはずの白奈の瞳は」の部分です。ちゃんと那知は白奈の目を見てるんだなっていうクソデカ感情の現れです。別にそれだけです。
普段デレない那知にとことんデレて貰ったりもしましたね。妹を力いっぱい抱きしめる姉、見たい。物語はクライマックスに進みます。
ここはそんなに解説することとかないかも。ただただ俺の月鈴姉妹に対するデカい感情が生んだ妄想を書きまくっただけなので。

八 月鈴姉妹と、星降る夜の話

当然「ナイツ 〜星降る夜の物語〜」から来てます。
白奈から那知へのクソデカ感情を出しまくる章です。
那知にはやっぱりおもしろ要員でいてもらいたかったのでヴァイオリンを二挺(にちょう、と読みます。ヴァイオリンの単位です。)に増殖させておいてもらいました。まあ夢だし。
ナイツが活躍するこの世界だけど、主人公は月鈴姉妹なので早々に退場してもらいました。本当はイタズラ好きみたいな面も出してナイツらしさを書こうと思ったけど蛇足だなと思っての判断です。
原っぱで二人で星空を見るというこのシーン。一番書きたかった場面です。白奈の那知に向けてるめちゃくちゃデカい矢印を沢山感じてください。
「夢と夢」の「星屑のシャワーの下」というフレーズが本当に大好きで。そのフレーズを上手く落とし込めたのかなと思います。お揃いのパジャマもすごくお気に入りです。で、この部分は構想の時点で既に一番書きたかった場面なのですが、表紙のイラストとピッタリなんですよね。そんな表紙のオーダーがこちらです。

オーダー内容これだけです

テキトーすぎるし小説の内容には一切触れていません。思考盗聴?あまりにも合いすぎて怖くなりました。5年関わってるとこういう部分が似るんだなと感じた出来事でした。
髪を指ですくう、手を繋いで、顔がほころぶといった場面も「夢と夢」の歌詞であったところです。本当にあの歌が大好きです。

九 白奈の、新しい思い出の話

「もうすぐ時計は6時」をオマージュしたのに8時の方をオマージュしなかったのはここを書いている時にはもう忘れてたからです。猛省。
あんまここは書くことないかな。と思います。なんなら書いてる時の疲労と眠気が限界すぎて何かを仕込む余裕はありませんでした。

十 IN THE NIGHTS DREAM DELIGHT

今までの章題のフォーマットから最後だけ外れましたが、このフレーズは見覚えのある方も多いと思います。「夢と夢」ではラストのサビ直前に出てくる歌詞で、チュウニズムでも銅称号として実装されてますし、「Dreams Dreams」ではどのVerでもサビで繰り返される歌詞です。これも大好きなので入れてみました。
那知はこういうのある程度は覚えてそうだよな〜の顔です。解釈がわかれるかもしれないけど。あとスマホはちゃんと使えるようになりました。偉い!
時差8時間もオーストリア日本間の時差と同じです。
白奈はLINE即返信するタイプだと勝手に思っています。自分がそうなので。
っていう感じですかね〜。もう少し那知に焦点を当てても良かったなと書き終わってから反省しています。

おわりに

ということで、これにて解説や補足、裏話といった部分は終わりです。
書くのは大変だったけどこうやって形に出来て良かったな〜。そもそも完売するとか思ってなかったのであまりにも驚きでした。なんなら完売後にも来てくださった方も居たので凄く嬉しい気持ちでいっぱいです。
会場内で読み終えて感想を伝えてくださった方や、何度も様子を見に来てくれたフォロワーの面々、差し入れをくれた方々には本当に頭が上がりません。ありがとうございました。

この記事を書くにあたって読み直すとまだまだ改善の余地があったなと思いますし、色んな方からの意見も是非聞いて今後の創作に活かしたいと思っています。なので、感想や意見を無限にお待ちしております。どんな些細な言葉でも、一言だけでも、送って貰えるだけ嬉しいのでお願いします。
あと昔の自分が色んな方に対して失礼すぎました。本当に申し訳ありませんでした。この場をお借りして謝罪をさせて頂きます。

ついでになりますが、今年の冬コミもサークル参加の方向です。夏は厳しいけど冬なら行ける。ということで、春くらいから構想を練り始めようと思います。長編になるか、短編集になるかは全く不透明ですが、もう一度皆さんに作品をお届け出来たらなと思います。またちえりをイラスト担当に予定していますので、この二人で最高の作品を作れるように頑張ります。今度こそスケジュール管理を徹底します……。本当にすみませんでした……。

とりあえずこんな所で。気になることとかありましたら是非ご連絡頂けましたら幸いです。

クソ失礼なちえりを添えて

もう一つだけ。
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