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私は侍。腰には刀、右手にダンテ。


赤白サムライ備忘録です。
というか考え方のアーカイブみたいな。
半年振りにデュエマを手にした武士(もののふ)は大ボードゲーム時代の波に呑まれたのであった…。


現環境のサムライの立ち位置について

過去に生きるサムライ

Tier表圏外であることからもわかるようにパワー不足は否めないが、
それでも度々上位入賞を目にする程度にはポテンシャルのあるデッキである。
3ターン目の《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》の着地から《竜牙 リュウジン・ドスファング》によるメクレイドで一気に盤面を確保しにいく動きは健在で、平均4ターン目には圧倒的な物量で半端な「S・トリガー」や「G・ストライク」をもろともしないその切れ味はまさに令和の宮本武蔵と言えるであろう。
しかしながら世は大ボードゲーム時代。3手で王手が決まる時代。
リバーシだの将棋だの刀の時代では到底なく、バイブスもない武士が天下を取れる時代では無かった。

「それ◯◯でよくね?」はそのデッキやカードを好んで用いるプレイヤーへの冒涜とされあまり推奨のされない発言ではあるが、
こと大会環境を見据えた際にはその限りではないと私は思う。
明確な優位性の無いデッキ、差別化の出来ていないデッキ、上位互換の存在するデッキは”勝利を目的とする場”に持っていくにはあまりにも不適であると言わざるをえない。
《ロスト・Re:ソウル》の存在する2024年において《ロスト・ソウル》の採用がありえないように、何かの劣化となるものは好み以外に使う理由がないのである。

【赤白サムライ】のキルターンは最速3ターン。
これは現在Tier1に君臨する【赤青マジック】と同速のキルターンである。
Tier1と同速であるならば、可能性は十分とも言えなくはない。
ただ、こちらは2ターン目にコスト軽減札、3ターン目に《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》+《竜牙 リュウジン・ドスファング》の合計3枚をドローソース無しで揃えねばならないのに加え、その《竜牙 リュウジン・ドスファング》で《爆炎 ホワイトグレンオー》or《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》をメクレイドしなければならない。要求値としては中々に高い。
一方であちらはドローソースを用いながら3ターン目までに攻撃可能なマジック・モンスター+《芸魔王将 カクメイジン》+《芸魔隠狐 カラクリバーシ》+《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の4枚を揃えれば良いため要求が低く、その要求の低さ故、再現性という観点で明らかに優位性が示されている。
まさに「赤青マジックで良くね?」である。

そのためそれ以外の分野で【赤白サムライ】が【赤青マジック】に優位を取れる部分を探していく必要がある。
今回私は【赤白サムライ】の優位性としてロックの簡便さとそのロック性能の高さがあると感じた。【赤青マジック】のロック手段としては《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》それから《単騎連射 マグナム》等が挙げられるが、どちらも共に殿堂カードであることと、1枚で止められる範囲が狭いことが欠点として挙げられる。

一方で【赤白サムライ】のロック手段である《鎧機天 シロフェシー》と《時の法皇 ミラダンテXII》(+ジャミング・チャフ)は特定のコストだけではなく、広い範囲で止められる点や次の相手ターンの動きまで止められる点が優秀だ。

特に《鎧機天 シロフェシー》に関してはコスト5以下の呪文をトリガーに動くものが多い現環境への刺さりも良く
【赤青マジック】における《瞬閃と疾駆と双撃の決断》
【フィオナアカシック】における《ナウ・オア・ネバー》
【黒単アビス】における《邪侵入》
【黒緑アビス】における《力が欲しいか?》
等、1枚で広い範囲を見ることが出来る。

この優位性を活かすことこそが【赤白サムライ】の残された道と私は考えた。

構築について

怒涛の《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》4、《爆炎 ホワイトグレンオー》4である。
《鎧機天 シロフェシー》の早期着地=実質的なエクストラターンというあまりにも短絡的な思考の元、
コスト軽減→《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》→《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》→《鎧機天 シロフェシー》に全力を賭す構築となっている。
これこそTempura Fujiyama Sushi Samurai、つまりJapanese wa no kokoroである。

次ターンに《鎧機天 シロフェシー》への革命チェンジにて回収した《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》を再展開、《竜牙 リュウジン・ドスファング》の侍流ジェネレートからクリーチャーへと繋げれば前ターンの2点と合わせて打点はピッタリ。
既に置いてある《竜装 ザンゲキ・マッハアーマー》のお陰でサムライ全てをSA(スピードアタッカー)に出来ることは勿論のこと、その軽減効果からクリーチャーの追加が容易くなっていることも見逃せない。

また、《戦術の天才 マロク》については《試作品 クロコギア》でも良いのではないかと感じた。
《戦術の天才 マロク》の役割としては《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》とのコンボにより、《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》《竜牙 リュウジン・ドスファング》不在下におけるサムライ・メクレイド、つまり擬似的な《竜牙 リュウジン・ドスファング》の起動でありサブプラン、懐に忍ばせた脇差しとしての役目であるが、それが叶うのは2ターン目《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》→3ターン目《戦術の天才 マロク》と繋がった後の4ターン目開始時。
3ターンでオセロや将棋が眼前に突っ込んでくる2024年にそれではあまりにも遅すぎる。
《戦術の天才 マロク》のプランは【赤白サムライ】としての安定性の向上を図って採用したものと考えられるが、仮に相手の準備が整わず1ターンの猶予が生まれる場合であったとしても、相手の事故を期待して安定性を高めるのは些か分の悪さを感じてしまう。
【赤青マジック】の3キル率を考えれば尚更である。

一方で《戦術の天才 マロク》に限らず、《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》の着地前に攻撃出来るサムライを前もって用意しておくことについては意義あるものだと考える。
言わずもがな《竜牙 リュウジン・ドスファング》の効果が「場に出た時」「攻撃する時」と2度発動出来るためである。
そのため2ターン目に《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》と同時に場に出せる《試作品 クロコギア》は非常に有用であると考えられる。
エスケープを有する《戦術の天才 マロク》と異なり場持ちの悪さは否めないものの現在はバウンスによる除去も多く、攻撃時の《竜牙 リュウジン・ドスファング》で捲れた際の爆発力は《戦術の天才 マロク》にはない大きなメリットであり、下位互換となる場面はそこまで多くはないだろう。
無視できないデメリットとしては無色である点が挙げられる。
多色でない分いくらかマシではあるが、光の単色マナの数が少なく後述の《奇石 ミクセル》が出しづらくなってしまうのは明確な短所である。

脇差しプランもといサブプランを失うことで、あまりにも《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》に依存した話をしているように感じるが、実際のところその通りである。
とはいえ、2ターン目《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》→3ターン目《試作品 クロコギア》→4ターン目《竜牙 リュウジン・ドスファング》でも《戦術の天才 マロク》を採用している際と同速の動きが可能であったりと、《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》不在下で出来る動きにそれほどの大差はない。
それどころか3ターン目の動きにマナを使わずに済むため《天装 タイショウ・アームズ》を挟むことすら出来るのは《戦術の天才 マロク》プランには無かった長所と言えるだろう。

既に先駆者によって開拓されている部分についても触れておきたい。《奇石 ミクセル》についてである。
《奇石 ミクセル》は言わずもがな今を時めく【赤青マジック】への対抗手段であるが、2コストである点が災いし2ターン目にコスト軽減手段を場に置きたい【赤白サムライ】においては自分の足も遅くしてしまうカードである。
3ターン目に動くことが出来ないジレンマを抱えることになってしまうが、先駆者はそちらについても織り込み済み。
その分《天装 タイショウ・アームズ》を挟むことで4ターン目の走り出しをスムーズにしている。天晴れである。
同時に下面呪文《ジャミング・チャフ》によって《時の法皇 ミラダンテXII》の強さの底上げにもなっている点も無駄がなく大変に素晴らしい。

今後の展望

殿堂発表も近く、そこでは現環境トップに君臨する【赤青マジック】に何らかの規制が行われると巷ではもっぱらの噂だ。
【赤青マジック】が規制された場合(その修復具合にもよるだろうが)ライバルとなるデッキが一つ減ることになるため【赤白サムライ】の立場は一つ向上するように思う。
しかしながら新弾にて登場した【ゼニス】の存在が向かい風となるのではないかと私は考えている。
有利不利を懸念しているのではなく問題はそのデッキコンセプトである。
【ゼニス】は「水晶ソウル」によるコスト軽減が主体であり、【赤白サムライ】とはコスト軽減を主体とする点で類似している。
つまるところ、メタがかぶるのである。
【赤白サムライ】は【ゼニス】程ビッグマナのカードが無いためそこまでの影響は無いものと思われるが、《キャディ・ビートル》のようなカードが今まで以上に台頭する環境となった際にはやりづらさを感じるのだろうと今から不安で仕方ない。
そうならないことを祈るばかりである。

私は侍。腰には刀、右手にダンテ。
左のお手々にゃシロフェシー。


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