君が世界のはじまり

何かをぶちこわしたい衝動に駆られる。

何をぶち壊したいんだろう。人間関係か、自分か、それとも何か物なのか。そんなことを考えながら大音量で音楽を流す。Twitterを見る。時間がたってもういいやという気持ちになって何となく時間が流れる。何なんだこれ。

「君が世界のはじまり」という映画をみた。


ショッピングモールがたまり場になる地方都市、目の前の環境を受け入れられない、何者にもなりきれない高校生、一方通行の思いを抱え、そして何でも無い日常が過ぎる。

どこかで見たことがあるとおもったら「はちどり」と「ここは退屈迎えに来て」をミックスしたような作品だと思った。劇中に出てくるブルーハーツの曲が心地よい。「人にやさしく」「キスしてほしい」。これをえもいの一言でまとめてしまうには惜しすぎる。そんな作品だった。

劇中ではある男子高校生が親を殺してしまう。その高校生ってどんな子だったっけ?普通の子だったよね。

こんなやりとりがあった気がする。

「普通とは。」

小説・映画をはじめとする芸術の永遠のテーマなのだろうか。普通とは。確かに考えてみると分からない。自分の普通が他人の普通とは違う。当たり前だ。生まれ育った環境も学んだ事柄もなんでもかんでも違うから。私がバイトで感じた違和感だって自分の考える普通と他人の考える普通の衝突なんだと思う。

人を殺してしまう人と自分を殺めてしまう人と苦しみつつも何とか生きている人と悩み無くのんびり生きている人と何が違うんだろう。本質的には何も変わらない気がする。紙一重というと簡単にまとめてしまうようでいやだけど、本当にボタン一つのかけちがえくらいの差しかないのだと思う。

誰だって悩みはあるし、不条理な世界に押しつぶされそうになることもある。変えたくても変えられないどうしようもない現状に終止符をうちたくなる瞬間もある。そして、現実は躊躇無く現実として目の前にやってくる。

答えのない、終わりの見えないこの世界。

じゃあどうすればいいのだろう。

物語は終盤に向かうにつれて希望が垣間見れる。

ラストシーンはすごく心に残っている。二人の少女が笑いだす。まるでこの世界の始まりのように。

気が狂いそう。でも、ガンバレ!



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