鉄を飲めば貧血は治るのか
連日、貧血の記事を書いています。今日の記事を読む前に、貧血について誤解されやすい内容をまとめた、こちらの記事をご覧下さい。
この記事では、
☘️貧血症状があっても貧血とは限らない
☘️貧血があっても鉄が有効とは限らない
☘️貧血でなくても鉄が足りていないことがある
という内容をお書きしました。今日はこの続きになりますが、
☘️若い女性の「鉄欠乏性貧血」は、鉄を摂れば改善するのか
についてです。この問いは、半分「YES」で半分「NO」です。「鉄欠乏性貧血」は鉄が足りないのは確かですが、それに加えて「総合的な栄養障害」であることが多いのです。
鉄を摂っても、あまり体調が良くならないという方に読んで頂きたい内容です。
「鉄欠乏性貧血」は、そう単純ではない
鉄が欠乏しているなら、鉄を摂ればいい。貧血の患者さんだけでなく、病院の医師たちでさえ、単純にこう考えていることが多いです。
確かに鉄だけ補充して元気になる人はいます。そういう患者さんは、早々に鉄剤を卒業し、元気になります。そのような方には、今日の記事は不要です。
しかし、鉄を飲んでも貧血の症状が全然良くならない、という人もいるのではないでしょうか。
一度立ち止まって、体調が悪い他の原因を探すことも必要かもしれませんが、栄養学的にも、もう少し考えて頂きたいことがあります。「鉄」が足りない人は、鉄だけが足りないことは少なく、だいたい他の栄養素も不足していることが多い、ということです。
赤血球を造るために必要な栄養素
言うまでもなく、赤血球は鉄「だけ」で出来ているわけではありません。赤血球を構成するのは鉄のほかにたんぱく質であり、また赤血球の外側の膜は、コレステロールを含みます。
また、赤血球の合成には上記のほかにビタミンA、ビタミンB群(特に葉酸とビタミンB12)が重要な働きをします。また、この時に亜鉛、銅、コバルトなどのミネラルの働きも必要です。
特にたんぱく質とビタミンB群は、鉄が足りない女性ではほぼ一緒に不足していると考えて良く、ルーチンに合わせて摂取をお勧めします。
どのような栄養が足りないか調べる方法は?
「赤血球には、こういった栄養が必要です」という話を聞いても、それが自分にとって必要かどうか分からなければ、片っ端からサプリメントを飲まなければいけなくなります。
この時に必要になるのは、症状と採血結果です。これについては後日、栄養素ごとに詳しくお話が出来ればと思っていますが、ひとつの例として亜鉛であれば、亜鉛の血中濃度は採血で測定が出来ますし、爪の白い斑点・抜け毛や味覚障害があれば亜鉛不足を積極的に疑う、といった具合です。
また、先ほどお話したようにとにかく不足しがちで改善率の高いたんぱく質やビタミンBなどから体調を見ながら栄養素を加えていくやり方も良いように思います。
摂取カロリーを意識する
オーソモレキュラーの栄養療法やネットの情報から、鉄やたんぱく質の摂取と共に糖質を制限する人も増えています。
若い女性にありがちなのは、糖質を抑えた食事によりカロリーが落ちて体調が悪くなってしまうことです。糖を減らすこと自体は良いですが、その分脂質でエネルギーを摂る工夫が必要です。自分の1日の必要カロリーをもう一度確認しておきましょう。
最初から極端な糖質の制限はしないこと、肉、魚を増やすこと、このほかMCTオイルなどで不足分のカロリーを摂るのも良いと思います。MCTオイルは小さじ1杯で40kcalくらいです。「MCTオイル 使い方」などで検索すると、調理の工夫について情報を得ることが出来ます。
参考までに、私が使用しているMCTオイルのリンクを貼っておきます。
まとめ
貧血、鉄が足りないと言われた人で、鉄を摂っても体調が改善しないという場合は、他の栄養素や摂取カロリーに問題がないか考えてみましょう。
最後までお読み頂き、有難うございました!
私の自己紹介記事です。
「ココナラ」でオーソモレキュラー栄養療法のアドバイスを行っています。
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