創業から16年間お世話になったフィードフォースの取締役を退任し退職いたしました
2006年の創業から16年間お世話になったフィードフォースの取締役およびフィードフォースグループのグループ執行役員を退任し退職いたしました。
まずは株主の皆さま、お世話になっている皆さま、ご支援いただいている皆さまへ厚く御礼申し上げます。
そして一緒に働いてきてくれたフィードフォースグループのメンバーも本当にありがとうございました。
ひとつの会社に16年間、文字にすると「昭和か!」とツッコミをしたくなるほどの年数ですが、本当にあっという間の16年間でした。
そして振り返ってみると山と谷ばかりでした。
そんな16年間についてはこちらのnoteにまとめております。
16年間、辞めようと思ったことはなかった
今回16年ぶりに一から転職活動をしたのですが、まず最初に言われることは
「今まで一度も辞めようと思ったことはなかったのですか?」
でした。
それで言うと本当に一度も辞めようと思ったことはありませんでした。
何故かと考えると
「フィードフォースでの仕事は本当に楽しかった!」
この一言に尽きるかと思います。
上記の記事にもありますが、2006年創業しそこからの6年間は本当にもがき続けていまして、そのタイミングに作ったサービスは今となっては一つもありません。業界的にはピボットと言われますが、そんな綺麗な言葉では到底片づけることができず、会社の売上をあげるためには本当に色んな可能性にトライをしていました。そして殆どは思い通りにはならなかったです。
そうなんです。「フィードフォースでの仕事は本当に楽しかった!」と言っておきながら超絶に難しかったです。そして今でも変わらず難しいと思っています。
でも逆に仕事が簡単で自分の思い通りになっていたらどう感じるのか?
答えは明白ですね。
営業として入社して以来、「質より量」を大事にしてきた
16年前、営業として入社したときのことを思い出してみると、まずは「喜多」として会社やお客様から信頼を勝ち取るためにとにかく行動量を増やしました。
テレアポ中心の直販営業はもちろん、代理店さんの社内に席を置いていただき社内営業をしたり、共催セミナーを開催して新規顧客の接点を作ったり。お客様からもらった宿題は基本的に期限前に回答する、メールをいただいたら当日中に返事をすると自分ルールを作ったり。名刺をいただいたらFacebookで友達申請をさせてもらう、Facebookで共通の友達を見つけてアイスブレイクさせてもらう。他にも考えられることはとにかく実施してきました。
「量より質」
という言葉がありますが、仮に質を意識して行動していたら恐らく上記で書いたようなことは一部しか実施をしていないもしくは中途半端にやめてしまったりと自分の経験値としても中途半端なものしか得られなかったのではと思います。
なので
「質より量」
を大事にしていますし、それは今でも変わりません。
※昨年、とある新規プロジェクトがあり個人的に顧客の反応が直接知りたかったこともあり久しぶりにテレアポをしました。アポイントを獲得できた時の喜びは変わらず最高でした。
「素直さ」「相手の立場になる」を忘れずに
組織においても色々とありました。
営業マネージャと言いながらも最初は自分一人しかいない所謂「一人営業マネージャ」でした。採用しても自分自身にマネジメント経験が浅かったためメンバーの育成が思うようにできなかったり、結果として個人に依存した売上でしか成長させることができずチームのパフォーマンスを思うように発揮できずと多くの課題がありました。
塚田さんを始め諸先輩方や同レイヤーの外部の友人(特にTATEITO平野さん、データセクション林さん、バンカブル高瀬さんとは隔週で朝活をやっていました)、本やインターネットの情報などありとあらゆる情報を収集し、自分がやれていないアドバイスをいただいたことはほぼ全て試しました。
ここでの行動は後のフィードフォースの採用要件の一つにもなっています。
それは
「素直さ」
です。
大方は色々とアドバイスをもらいながらも、自分のやり方に固執したり、過去の経験が邪魔をし素直に受け止めることができずで結果パフォーマンスに繋がらず悩んでしまう。特に新卒1,2年目の時期とある程度経験を積んでマネージャレイヤー前後のタイミングで「素直さ」が失われることが多いと感じています。
こういったときに必ず伝えていることは
「相手の立場になる」
です。
アドバイスをする側からすると、自分がしたアドバイスが少なからず相手の役に立ってほしいと思って真剣に考えて話をしてくれているはずです。
これって相手の立場に立ってみると実は凄く納得することなので、これもメンバーには良く伝えてきました。
もし周囲からアドバイスをもらい実行できていないことがあれば、今すぐ実行しましょう。その結果を受けて自分の考えとの比較をしましょう。
転機となった2012年
創業から6年後の2012年、今までの学びを活かして2つのSaaS(ソーシャルログインとデータフィード)をリリースしました。少しずつではありますが、フィードフォースの可能性に共感をいただきサービスをご利用いただけるお客様が増えていきました。
そして同年に新卒一期生が入社してくれました。
「社内に新しい風が吹く」というのは正しくこのことだなと感じられるほどの突風でした。
フィードフォースが次のステージにあがれたきっかけは、間違いなく新卒一期生の力であったと思っています。
マネージャとして、伝え方を大事にしてきた
そんな形で少しずつとメンバーも増えていくことになるのですが、メンバーを育てていくうえで大切にしていたことが二つあります。
・シンプルに伝える
・叱るべきことはきちんと叱る
「シンプルに伝える」
会社、事業、チームの方向性を決めることは多々ありましたが、そんな時こそシンプルに伝えることを非常に大事にしてきました。
ここでいう「シンプル」とは、万人が分かる言葉という意味です。
業界的に横文字が多く横文字を使った方がちょっとイケてる的な雰囲気もあり、横文字が乱立されている会話は結構多いと思います。
その悪影響として人によって言葉の捉え方が微妙にずれてしまうことは結構多いと感じています。正直なところ自分自身も表面上は分かったフリをしておきながら裏でググっていることは結構ありました。また自分自身が頭が良いタイプではありません。
そんな経験から「シンプルに伝える」ということに対しては凄く気を使ってきましたし、特に重要な決定の時こそより意識してシンプルに伝えていました。
結果、チームの目線が一致しチーム力に繋がります。
「叱るべきことはきちんと叱る」
恐らくフィードフォースの中で一番多くの人に叱っていたと思います。
ただし、叱るときは下記について最善の注意をしていました。
・なぜ叱られるのかの背景をきちんと説明する
・相手にどんな影響を与えてしまっているのかを説明する
なぜ叱られているのかの背景を説明する、言葉にしてしまうと当たり前のことです。しかし、意外と叱る時にこの背景を端折ってしまっている場面は結構多くみます。
そして喜多が怒っているのではなく、あくまでもそのメンバーが相対する人の立場に立ってその上で相手にどんな影響を与えてしまっているのかを考え説明し伝えます。
「これだとマネージャの〇〇さんに怒られるよ」
みたいな話を耳にすることがありますが、相対する人が自分の上司となってしまうパターンが一番最悪なやつです。
そうならないためにも相手の立場になって背景含めてきちんと説明することが大事です。
今まで叱られることが多かった人も将来は叱ることが多い側になると思います。そこで誰もが気が付くことがあります。それは
「叱ることってこんなにも大変だったとは」
です。
叱られるよりも叱るほうが神経も体力も非常に消耗します。
お互いに色々と消耗してまで取る「叱る」というコミュニケーション。
お互いに真剣に仕事に向き合っているからこそ起きる「叱る」というコミュニケーション。
そう考えると叱る、叱られることの意味がお互いに深まると思っています。
また「相手の立場になる」にも繋がることになります。
そして次の挑戦へ
お陰様で2019年に東証マザーズに上場することができ、子会社は8社、200名を超える組織となりフィードフォースグループとしてホールディングス企業に成長することができました。
アナグラムの阿部さんやリワイアの加藤さん、テープスの田淵さん、フラクタの河野さんなど、凄く優秀な経営者も入社してくれましたし、ここまで書いてきたことを当たり前の様に実行できるまでにメンバーは成長してくれました。
そのお陰で今回退任、退職という決断をすることができました。
フィードフォースグループの皆んなには感謝しかありません。
「次はどうするの?」
ですが、また新たな挑戦をすることになります。
ちょっと長くなってしまったので詳細については改めてnoteに纏められればと思いますが、
・異業種への挑戦
・社会への影響力
・IPOの再現性
の軸で決断をいたしました。
デジマ界隈からは有難く多くのお誘いいただき、またエージェントやVCの方々からも多くの企業をご紹介いただき、この場を借りて御礼申し上げます。
最後に塚田さんへ
入社当時リスティング広告も分からない自分を拾っていただき、自分がやりたいと相談するといつも挑戦をさせてもらいました。
「挑戦する≒責任が生まれる≒信頼が人を育てる」という経験をさせてもらったことで、仕事って難しいが楽しいものだと覚醒したきっかけになりました。
また信頼してもらえることで自身が持っている能力以上のものを発揮することができる、ということを学んだきっかけにもなりました。
この経験がなければ今の自分は存在していません。本当に感謝をしております。
これからも沢山相談させてください。
末筆ながら、皆さまの益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
※この記事は、フィードフォースグループ各社のメンバーがクリスマスまでリレー形式で記事をつなぐ「Feedforce Group Advent Calendar 2022」の最終日です。
アドベントカレンダー的には12月25日に公開したかったのですが、このタイミングでの投稿とならざるを得なかったことをお許しください