アイディア農場プロジェクト:ヒトに対するハッキングと法律【1 min read】(2020年1月13日開始)
「このページは通読用のものではありません。
ここにあるのは、思考の断片、アイディアの種です。
毎日ひとつを取り上げて読み、それに対して考えを巡らせてください。
そこから、新しいアイディアが芽を吹き、成長することを期待します。」(野口悠紀雄さん)
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「過去数十年の間に、神経科学や行動経済学のような領域での研究のおかげで、科学者は人間のハッキングがはかどり、とくに、人間がどのように意思決定を行うかが、はるかによく理解できるようになった。」
第二章「雇用」あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』
サイバーセキュリティと言うが、本質的にハッキングされているのは、マシンではなく、ヒトなのかもしれない。古くから、ソーシャルエンジニアリングについては注目されていた。デジタルがこの世の中を席巻するまでも、セキュリティの問題は存在していた。
サイバーセキュリティの分野以外でも、ヒトはハッキングの対象だ。マーケティングも広義の意味では、ヒトに対するハッキングの技術とも言える。
ヒトの自由意志の有無を問わないまでも、様々な科学的知見がマーケティングなどに取り込まれ、日々、その精度を上げ、消費者としての個人はその全容を分からないまま、購買活動をしていることも多いのではないか。
もちろん、今までもヒトは、多かれ少なかれハッキングされてきたので、新しい論点ではないだろう。
いずれも人がキックする行為。いずれも科学されてきている。
1 人を介した、人へのハック→例:ソーシャルエンジニアリング
2 人を介した、マシンへのハック→例:マシンへの物理的な攻撃
3 マシンを介した、人へのハック→例:アドテク、広告などを活用して、人に購買させる。
4 マシンを介した、マシンへのハック→サイバーアタック
ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』によると、ヒトも動物もマシンも計算機だ。ヒトも動物もマシンもアルゴリズムそのものだ。ヒト、動物、マシンのアルゴリズムが理解されてしまえば、ハッキングの対象となる。
「感覚や情動や欲望と呼ばれるじつに精密なアルゴリズム」
ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』上巻112ページ
では、ヒトもアルゴリズムの一種だと捉えた場合、ヒトに対するハッキングはどこまで許されるのだろうか。
民法が前提としている人間の意思表示のモデル、科学で明かされる人間の意思表示のアルゴリズム。現状の「民法が前提としている人間の意思表示のモデル」で法律の体系を考えた場合、これから大きな不都合は生じないか? 各法律の各論で手当てをするだけでいいか?
以上
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