アイディア農場プロジェクト:法務組織論、法務部門の差別化と採用戦略(2019/11/17更新、191014開始)

「このページは通読用のものではありません。
ここにあるのは、思考の断片、アイディアの種です。
毎日ひとつを取り上げて読み、それに対して考えを巡らせてください。
そこから、新しいアイディアが芽を吹き、成長することを期待します。」(野口悠紀雄さん)

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■法務組織論

*面白い発想。自分自身もリソースとして考える。経営の視点、部門のマネジメントの視点は、一人法務であっても、持てる。

「一人法務でも、自分でやる、じゃなくて自分にやらせるみたいな感じで組織化できるし、ある程度はそうすべきだと思ってる」 https://twitter.com/katax/status/1171976336174284800

* 長谷龍一@メリービズ | 経理アウトソース @Rhasese
RPA進めてるお客さんに、どういうふうに進めてるんですか?って聞いたら、「マニュアルがある業務を聞いてもだめ。一番苛つく業務なんですか?って聞くとすごい出てくる」とおっしゃってた。 これは真理かもしれない。

*「特化型の登場(unbundling)」 https://twitter.com/kenichiro_hara/status/1171975822875299840

*法務相談そのものは、依頼者と法務担当者との間で一対一で閉じるべきというバイアスがありそうだ。その一対一のやり取りを公開することで、法務版知恵袋になる。強力な検索エンジンがあれば、FAQなんて作る必要がない。1990年代もしくはそれ以前の考えに、引っ張られがちだ。分類して、ファイルして、整理することが大事だという発想。目的を忘れてはいけない。目的に立ち戻り、手段をゼロベースで考える。時代は変われども、目的は大きくは変わらない。

企業のオフィスでは、未だに昭和時代の手段やその観念に囚われている。toC向けのサービスの方が、すぐにテクノロジーを取り込む傾向がある。つまり、目的に立ち返り、新しいテクノロジーを用いて、新しい手段を創り出し、利用者に提供するのは、toC向けのサービスの方が早い。

逆に、企業に浸透するのには、30年かかる。少なく見積もっても、10年のスパンだ。企業のオフィスで働く人に必要なのは、目的に立ち返り、その目的にフィットした手段を、テクノロジーを横目に見つつ、構想することである。ただ、この場合も、全社戦略や事業戦略に合致するものでなければいけない。最新のテクノロジーを入れれば良いというものではなく、全社戦略や事業戦略への合致度の方が重要。結果、昭和時代の手段や観念を維持することが効果的な場合だってあるので、注意が必要。

ただ、それを構想する時間さえないというのが今の企業の実状か。本来であれば、全社戦略に基づいて、各機能を横串して構想する機能を持った方がいい場合もあるだろう。

■法務部門の差別化と採用戦略

法務人材の採用において、どんな切り口で差別化を語るか? また、私自身、その差別化要素を語れるか? 差別化できるように法務組織を自覚的に設計できているか?法務組織としての戦略ストーリーを描けているか?

法務の組織、機能を別の角度で切り取ると、法務人材の採用(育成ではなく)が表出する。採用の局面で、他の企業の法務組織との差別化が自覚される。 もちろん、企業の業態、経営指標、業界内での立ち位置などが採用の差別化にはなるが、それに加えて、他企業の法務組織との差別化も語る必要がある。

*法務部門における採用戦略という文脈で、競合他社は意識できているか? 競合他社との比較において、メリット、デメリットを語れるか? いくつかの切り口で整理して、書き出しておく。A4の紙にマトリックスを作り、紙面がぎっしり埋まらないようでは、準備が足りない。

*自らが所属する法務組織がどうであるかに自覚的になりつつも、どうでないかも明確にしておきたい。 そのためにも、切り口を自覚しておく。

*法務組織の戦略ストーリーを考える際に、この連載が役に立ちそうだ。合理的な部分にも目を向けつつ、一見して不合理な部分にも着目する。

■具体例

▼アクセンチュア
https://business.bengo4.com/articles/632

*「法務部門は、大きく3つのチームに分かれています。」
・案件組成(Contractingチーム)
・案件管理(CMチーム)(Contract Managementチーム)
・コンプライアンス(COREチーム)

*契約締結までが法務の仕事であるという当たり前がありそうだが、締結した後についても法務がフォローし続けるというのが面白い。①契約締結前と②契約締結後という切り口。加えて、③契約終了後という切り口もありそうだ。

「CM(Contract Management)チームは、日本企業にはあまりない組織だと思います。Contractingチームの担当範囲が契約締結までだとすると、契約締結した後に活躍するのが我々のチームです」

「主に、契約に集約されているクライアントとの合意内容が計画通り実行されるよう、現場のメンバーとともに案件をマネジメントします。」

「そして、契約関係の問題が起きたり、ファイナンスが元々の計画とずれたりした際には、プロジェクトの状況について契約や法務の観点から報告するほか、契約面での課題解決に対応します。」

▼グーグル
「多数の専門職を募集、グーグルが事業部門を拡大」 「宅配便をドローンが運ぶ」、米国の一部で本格展開 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58035?page=2

・法務チーム 「プロダクト・カウンセル」:法務チームに加わり知的財産やプライバーシー保護、製品開発などについて助言する
・政策チーム 「アビエーション・レギュラトリー・リード」:政策チームに加わり認可取得や規制戦略などを担当 →「規制戦略」

以上


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