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2024/12/7 ORIGINグローリー、さよならの日

朝は9時半に起床。今日は11時から始まるグローリーのイベントで出店予定だった。出店は到着してからめちゃくちゃ準備に時間がかかるので、9時半には京都のグローリーに着いていたかった。つまりだいぶ寝坊。

バタバタと荷物をまとめて家を出て、到着してから色々と忘れ物をしていることに気付いた。まぁもう仕方ない……と開き直った。

二条
SABOTEN MUSICの出店

この日は僕が大好きなお客さん、カツさんの企画イベント。カツさんはそんなにしょっちゅう企画をやる人ではなく、いつも好きなアーティストを好きな感じで楽しんで帰っていくお客さんの鏡みたいなおっちゃん。

僕はカツさんが大好きなのでこの日の出店の誘いは嬉しかった。カツさんの大好きが詰まった素敵な日、そしてフライヤーのカラフルさがヤバくて最高。


ちょっと話はズレるが、グローリーにまつわる僕の昔話。

2017年12月、僕は「簡単そう」というバカみたいな理由、そして無根拠な自信のもと『SABOTEN MUSIC』というオンラインCD屋を始めた。

色んなライブハウスのスケジュールに載ってるアーティストの名前を片っぱしから検索し、気になるライブに行き、ライブを観てかっこよかったら「CD売らせてください」と話しかけてCDを持って帰り、自分のネットのサイトで売るというCD屋。ディストロとも呼ばれる形体。

ただ、このSABOTEN MUSICを始めるまではライブハウスで誰かと話すということが全くなかった。一人でライブに言って誰とも話さず帰る、そういうものだと思っていたしそれが楽しかった。つまりライブハウスの人たちにとっては僕は何者でもなく、なんのツテもない状態。

誰の担保もなく何処の馬の骨かもわからない上に、僕はまだあまりコミュニケーションが上手くなかったのでいつも酒を無理矢理飲みまくって酔っ払って話していて、今思うと相当怪しいというか、信頼できない感じだったと思う。

そんな中「こいつ面白いよ、話聞いてやってよ」という担保になってくれた初めての人が、このグローリーというライブハウスの店長、アンザイさんだった。

SABOTEN MUSICオープン前から貼ってるチラシ

僕の好み的にグローリーに出ている演者が多かったというのと、アンザイさんを中心としてこのグローリーに集っている人たちの空気が居心地よかったというのとで、SABOTEN MUSICをやり始めの頃は僕はしょっちゅうこのグローリーに泊まってはライブを見ていた。

1週間ぐらい連続で泊まって出店し続けたこともあるし、企画をやらせてもらったことも。自分でやった企画に全然人が来なくて、アンザイさんに「ギャラ出すのに借金しないといけない」と言うと「借金なんかせずに『払えない、ごめんなさい、埋め合わせをします』と言ってきなさい」と言われたのをめちゃくちゃ覚えている。

あとアンザイさんはめちゃくちゃかっこいいので、みんなでケーキを食べる時に「俺いいわ、みんなで食べ」と言っていて、僕は「カッコつけすぎですよ、ほんとは食べたいんでしょ」と酔っ払って変な絡み方をしまくって普通に怒られた、というなんとも言えないエピソードも地味にめっちゃ覚えている。

グローリーでやった自主企画

その後「企画をいくら打っても上手くいかない、修行が必要だ……」ということでtoraで働き始め、マガユラで働いたりさぼてん堂を始めたり……となっていく。

つまり、このグローリーは僕にとってはORIGIN。そして、そんなグローリーが今年いっぱいで閉店する。

この日、僕にとってはグローリーで過ごす最後の日だった。


きっさんのカレー、うまかった

この日の日記に戻るが、グローリーに対するエモい背景はあれど、寝坊は寝坊。そしてまだ随分と眠いままに出店準備を終え、とりあえず朝昼ご飯としてきっさんのカレーを食べた。めちゃくちゃ美味かった。

ベルマインツ
踊る!ディスコ室町

室町、久しぶりに観たけどめちゃくちゃかっこよかった。ストリングスが入ってる編成は初めて見た、人数増えてるのにグルーヴがイカれてるぐらいすごい。こんなかっこよかったっけ〜〜すご〜〜と思いながらかなり楽しんだ。

CDも預かって持って帰ってきたので、近日入荷。


もっさんのカレー

出店はきっさんともっさんがいた、どっちもカレーを出していたので、今度はもっさんの方のカレーを食べた。いちぢくカレー、食感と酸味がいい感じだった。相変わらずもっさんのご飯はおいしかった。


BLONDnewHALF
メシアと人人

グローリーにブロンドが出ているのは珍しい気がした、ジョニーさんの声がいつもの倍ぐらい抜けててちょっと面白かった。

メシアは、この日のイベントの中で誰よりもカツさんに対する愛が溢れたライブだった気がする。めちゃくちゃかっこよかった、2曲目でステージぐちゃぐちゃになってたのめちゃくちゃ笑った。


AIRCRAFT
ゆ〜すほすてる
ショーさん

初めて観たAIRCRAFTはびっくりした、エネルギーとグルーヴが凄まじかった。曲のキャッチーさもすごくて、これは音楽好きにもそうでない層にも凄まじく評価されるバンドだ……と思った。ステージのどこを切り取ってもすぐにメジャーとか行きそうな雰囲気はあったけど、オフはゆるくて楽しい人たちだった。強すぎ。

ゆ〜すほすてるはCD聴きまくっているせいでずっと楽しくて、嬉しくてちょっと泣けた。いいバンド。江川さんが最近九州に引っ越してて、それを踏まえた「まだまだやるぜ」みたいなMCめっちゃよかった。

ショーさんの弾き語りはめちゃくちゃ久しぶりに観た、一人なのにグルーヴィーでよかった。どの曲もやり込んでる感があってかっこよかった。


カツさんとツーショット

久しぶりに会う京都の人たち、いつもよくしゃべる人たち(主にブロンドとメシア)、そしてカツさん。僕の感想だけど、色んな人それぞれの個人的な感情にクローズアップされる瞬間をたくさん感じたな〜〜と思った日だった。いっぱい喋れて楽しかった。

が、電車がきわきわなので帰り際はあんまりみんなとは話せずにそそくさとグローリーを出た。


写真に困って2回目の使用

僕は高校を出て以降、ずっと"今が一番楽しい"と思いながら生きてきている。なので、さぼてん堂をやりながら過ごしている千鳥橋での生活が今までで一番楽しい。

が、グローリーで過ごしていた頃も「今が一番楽しい!」と思っていた。"一番!"と反射で思っているのだが、別に優劣はないのだと思う。

かなり思い出は詰まっていて、なくなるのを知った時はかなりショックで、だけど同時に「あそこにいたのは過去のこと」という感覚が自分の中にあった。昔の自分のことも今のグローリーのことも他人事のように感じてしまう気持ちが入り混じっている、その事実が何より悲しかった。

今近くにある好きなもの、ちょっと遠ざかりつつある好きなもの、すでに遠ざかってしまった好きなもの、その全てが過去ではなく、今か未来のものであればいいな、と思う。

僕は薄情かつバカなので、過去に対する気持ちがとにかくおざなりになっていて、多分もうそれはどうしようもなくて、だからちゃんと今か未来に繋げていかなきゃなと思った。

じいちゃん死んだ時も思ったけど、もっと精一杯悲しくなりたかったな、みたいな感じ。

とりあえずカツさんには毎日元気で生きていてほしいですね。

2回目のカツさん

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