7/20 SABOTENにて新入荷!
今日は1日中マガユラにいて何も起こらない日だったので、ここ3日でSABOTEN MUSICで入荷した音源の紹介をする。
東京のTTUDというオルタナバンドの最新作、2ndアルバムを入荷した。TTUDのボーカルの本名さんとは僕がSABOTEN MUSICを始めた頃からの知り合いで、なんやかんやとかなり長いことお世話になっている。一緒にパスタも食べたこともある。TTUDのTwitterアカウントから分かるようにTTUDは"tintin upsidedown"の略。
色褪せた描写に長けたサウンドメイク、耳に残るリフ。じっと聴いてると音が頭に焼き付き、セミの声を聴いてるような感じになる。
↑個人的に1番好きだったTamifluという曲。この粘っこいのに清涼感があるというか、曲としての不思議なバランス感覚がすごく心地いい。目を閉じて聴くと荒廃した森の中を彷徨うような感覚になれるトリップ曲。
爽やかでキャッチーな曲の奥の方に宿る、荒々しく猛るルーツをじんわり感じながら心地よくなれる音源、夏アルバム。
次に紹介するのが大阪のblondyというバンド、こちらも最新作の2ndミニアルバム。
blondyを初めて観たのは確か3〜4年前ぐらい。曲はデカい音とキャッチーな歌でパフォーマンスも大暴れみたいな訳ではないのに、ライブの破壊力が凄まじすぎてめちゃくちゃ痺れたのを覚えている。なぜこんなにも感動したのかが当時はよく分かっておらず「なんかめちゃくちゃかっこよかった!」と思っていたのだが、この新作を聴いてなるほどと思った。
この曲1曲ではまだまだ計れないが、一部分を感じて欲しい。blondyの爆音はエモーショナルを作っているのではなく、もっと普通に、何かが起こった瞬間に自分の中で鳴っていた音を追求しているのだと僕はこのアルバムを聴いて感じた。気取らず正しく突き詰めるストイックさを感じて、当時ライブに感動した気がする。
曲の中の波が丁寧で生々しく、すーっと入ってくる繊細な作りに息を呑んだ。全曲丁寧に聴いてみて欲しい最高のアルバム。
最後にもう一つ、東京のMoon In Juneというドリームポップバンドの最新作。
DREAMWAVESというレーベルから音源を紹介してもらい、今回初めて知ったバンド。上で"ドリームポップバンド"と僕は書いたが、そうはっきり言うにはあんまりしっくり来てない感じはある(なぜ書いた)。シューゲやドリームポップは歌もサウンドの一部というイメージが多く、たしかにこのバンドもサウンドが曲の魅力を大きく引き立たせてはいるが、軸は間違いなく歌にある。
イントロから歌い出しまで聴けばすぐに好きな人は好きと反応できるはず、しかし最後まで聴いてみて欲しい。「いい感じのやつ」ではなく「いい」。僕が特筆したいのは、この夢夢しいサウンドで幻想ではなく現実の瞬間のイメージが流れ込んでくるということ。多分その中核を成しているのは、人間らしいドラムと鋭いリードギター。
僕はこの前行った伊豆のボロボロの港町の風景を思い出した。人が過ごしこだわり壊れていく、そのどこかの刹那を切り取った絵がたくさん並ぶような素晴らしいアルバム。
いい音楽を聴くと元気出るからCD屋やっててよかったと常々思う、いつも発売前から聴けるのでめちゃくちゃお得。
せっかく夏も始まったし、夏が好きな人も嫌いな人も「今年の夏はこれだ!」というアルバムを見つけると、ほんのちょっとだけかもしれないけど、夏の楽しさは増えると思う。もしその出会いが僕きっかけだと嬉しいな〜と思ってる。
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