大学生の企画,イベントの作り方マニュアル(仮) ②立案段階
正直、ここで半分決まる。いわば「土台」の部分なので、0→1の場合は特に重視してほしい。
目次
①目的の選定
②ニーズ・環境調査
③チーム内のイメージ統一
④スケジュール
①目的の選定
企画をやる、という時は何かしら「こんなことがやりたい」「~系のイベントがやりたい」等の動機や状況があるという事だと思う。そうした時に、一度立ち戻って考えて欲しいのが「目的は何なのか」という点である。なぜ今、自分達がやるのか。
まず、「~という文化の認知を拡げる」「学生と地域を結ぶ」等、基軸を立てる。なぜなら、企画の開催はその目的を果たすための「手段」であるからだ。ここが固まれば、準備中に難しい意思決定の場面が訪れた際にも「目的を果たす上でどちらが優先か」という判断基準ができる。
だが、今挙げた二つの例は正直あまり良くない。アバウトすぎるからだ。例えば後者だが、第三者からしたら「じゃあなぜその二者を繋げる必要があるの?その先は?」となる。ここで重要になるのが次の「調査」である。
②ニーズ・環境調査
ニーズが無ければ企画を開催する意味が無い。開催側が「オレら頑張ったね」みたいな自己満足で終わる。身内なら良いが、外部の人間が関わる場合は避けたい。対象とする層に、漠然とした目的に対してどんなニーズがあるのか。これは多面的に見ないといけない。
例えば、「色んな人にこの街の飲食店を知ってもらいたい」という動機があるとする。そうすると、登場人物は「自分達」「参加者(一般人?)」「飲食店」の三者になる。そうすると、参加者のニーズ(そもそも知りたいと思っているのか 等)を把握する必要は当然あるが、それに加え「飲食店」のニーズも把握しないといけない。本当に知ってもらう必要はあるのか?今回の参加ターゲットに来客してもらう必要はあるのか?
ココを把握しておかないと一方的なコミュニケーションになってしまう。だが、意外と最初は気づけないポイントの一つなんじゃないかと思う。
大学生が企画を主催する場合は大抵の場合参加者以外の「第三者」が生まれるので、参加者だけで無くそのニーズもちゃんと把握しようという話である。
ココができれば、最初に述べた目的が大分具体的になる。
目的:学生を呼びたい店と知りたい学生を繋げ、コミュニティ活性化のキッカケを作る(ニーズがあった上で)
あとはこの目的を果たすための現実的な手段(企画内容)を考え、手段に沿った「目標」を設定する。動機と具体化された目的があれば企画内容も考えやすくなると思う。その上で企画終了時or後に達成すべき目標を設定する事で内容の具体化やモチベーションの向上に繋がると思う。
少し話は戻るが、企画が大きければ登場人物が増え、各方面との関係性の調整が大変になる。自分達以外の登場人物との関係性を良好に保つためには「give & take」の関係をしっかり成立させる事が重要だと僕は考えている。(図にまとめるのが良い) 自分達の企画に参画(take)して頂ける方に対して何をgiveできるのか。それを明確にするためには、自分たちが持つリソース(お金・人的資源・広報力 等)を把握する必要がある。初めにこちらからgiveできるもの・範囲は相手方に明示しておいた方が良い。
幸いなことに僕たちは「学生」であるため、対社会人の場合はこのgive &takeの関係に関してはオマケしてくださるケースもある。だが、これを誤って踏み外すと自分自身だけでなく、所属団体や大学生自体の印象を著しく悪化させる。これに関しては次の記事でも詳しく書こうと思う。
③チーム内のイメージ統一
目的や企画内容の方向性も決まった。じゃあいざ具体的な動き出しに!という前に1つちゃんと確認してほしい事がある。それが「メンバー間でのイメージの統一」である。この場合のイメージとは、企画当日のイメージ、つまり「ゴール」のイメージである。
当然、チーム内でも役割がそれぞれあり、当日の関わり方も大分異なると思う。なので、当日に関して把握しておくべき事は個々異なる。だが、立案段階で当日のイメージが統一されていないと準備段階で個人間で擦れ違いが起き、その擦り合わせに時間を取られてしまったりする。極端な場合だと、当日をイメージできているのが少人数しかおらず、その少人数が極端に働いて疲弊し、それ以外は結局当日まであやふやな働きしかできないというケースがある。
当人のやる気の問題もあるかもしれないが、基本的には「ゴールへのイメージ」「自分の役割」この二つが明確であれば上記のような問題は改善される。
ゴールのイメージだが、これに関しては企画によって多様化する。
なので、一概には言えないのだが「当日参加者のペルソナ(典型的なユーザー)を定め、彼らが自分たちが目的に沿った内容の企画に参加し、参加者・第三者が何を得て、結果として何が残るのか。」というのが一般化したイメージだろうか。(デザインに関しては各々センスが違うので統一は難しいが、某学園祭のように「強烈なテーマを決める」事は1つの解決策である。創る側もイメージが湧きやすくなるのでこの手は非常に良いと思った。)
この辺りは自分も失敗した経験があり、某団体のイベント企画運営を通して学ばせてもらった事なので彼らの受け売りである事を明記しておく。
④スケジュール
企画内容が定まってきたら必要な役割や仕事が段々見えてくるはずである。そうすると最後に行ってほしいのがスケジュールの作成である。
別に「この日にこれを絶対提出!」とか厳密に決める必要は無い。(モノによってはあるかも) この日に開催するからこの週には参加者決定、となるとこの週には広報をスタート、となるとこの週には企画概要は確定させないといけない、となるとココはこの日までに押さえとかないといけないから…、といったように必要なポイントを当日から逆算して仮スケジュールを立てて共有する。こうすると当日までの道のりがクリアになるので先ほどのイメージの共有にも繋がるし、他のやるべき事との両立がしやすくなる。
ただ、準備を進めていくと変更せざるをえない場合は必ず出てくるので、それはしょうがない事。曖昧に目の前の事だけやるよりはその先が見えてた方が良い。
〇まとめ
・目的を具体化する
・登場人物のニーズとgive&takeの関係をしっかり把握する
・チーム内でゴールのイメージを統一する
・仮スケジュールを作る
次は準備段階について。