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3年経過して感じるShippioの面白さ(1/2)「貿易業界のポテンシャル」


はじめに

今回のnoteは、Shippio(シッピオ)に入社して3年の節目に書いています。
入社した当時はシリーズAの後で、従業員は30名強、取扱サービスは1つで、そのサービスもPMFしていないフェーズでした。

当時の入社noteはコチラ

今は、シリーズBから1年以上経過し、従業員がグループ含めて100名近くまで増え、2つのサービスを展開しています。

書きたいことが多く、今回は二部構成で発信します。
一部は、Shippioが挑む貿易業界の「ポテンシャルの高さ」について書きます。
二部では、貿易業界で「なぜ、これからのShippioが面白いのか」について触れていきます。

今回のnoteはこんな人に読んでもらいたいです。

  • アーリーステージのスタートアップでやり切って、もう一度あの時のワクワクを感じたい人

  • 業界を変えるチャレンジがしたいと本気で思ってる人

Shippio(シッピオ)とは

Shippioは、製造業や商社、小売業向けに「貿易に関するサービス」を展開しています。
具体的なサービスは2つあります。

①デジタルフォワーディング:国際物流サービス + SaaS (≒BPaaS)
②Any Cargo: SaaS

弊社は、SaaSだけを提供しているのではなく、貿易に必要な物流サービスも提供している点が特徴です。
具体的には、フォワーディングと呼ばれるコンテナ船の予約などを代行しています。(下図の青枠をご確認ください。)

フォワーダーの業務領域

最近、BPaaSを展開するスタートアップも増えてますが、Shippioは貿易のBPaaSでPMFし、その次にSaaSを展開している珍しいスタートアップです。

3年間、業界変革に向き合って思うこと

アナログが残る実情

貿易業界は50年間イノベーションが起きていないと言われ、現在もかなりアナログな業務が残っています。

従業員が何万人の大手製造業でも

コミニュケーションは、メールや電話、FAX
貿易のスケジュールは、船会社のHPでチェック
ステータス管理は、個別に作成されたExcel
貿易の書類管理は、原本(紙)で保管

というケースがまだまだ一般的です。

弊社が実施したアンケートでは、案件管理ツールが「Excel / スプレッドシート / メール」という回答が大半でした。

弊社アンケート

日本に不可欠な貿易

企業選びの軸に「社会的意義の大きさ」を挙げる人は多いと思います。
私自身も、せっかくチャレンジするなら社会に大きく貢献したいと思っています。

貿易と聞くと馴染みがないと思うかもしれませんが、実はみなさんの生活に密着した業界です。
今触ってるスマホやパソコンの部品、食べてるモノ、着てるモノなど、多くの商品がコンテナ船で輸入されています。

また、私たちが住んでいる日本は「島国」です。日本が存続するうえで貿易は不可欠です。
船か飛行機での輸送が必ず必要になるので、Shippioの事業領域は無くてはならない領域と言えます。

システム投資されてこなかった背景

ここで疑問に思うのが、日本に不可欠な貿易なのに、なぜアナログな業務が残っているのか?だと思います。
個人的には理由は3つあると思っています。

  1. 今まではExcel管理で問題がなかった

  2. ステークホルダーが多く、システム化のハードルが高い

  3. サプライチェーンがコストセンター扱いされている

1.今まではExcel管理で問題がなかった
Excel管理が可能だった背景には、貿易に関わる国際輸送が安定していた点が関係します。
コロナ前までは、コンテナ船の70 - 90%が定時通りに到着していましたが、コロナ禍では30-40%まで下がり、足元も50%となってます。

(出所:Sea-Intelligence Global Liner Performance (GLP))

そうなると、果たして今後はどうなるのか?という点が重要です。

新興国の発展などを考えると今後も世界中の貿易は増えていくはずです。

IMF(国際通貨基金)の「World Economic Outlook Update, January 2024」では、「2024年の世界経済成長率は3.1%」と予測されており、貿易量の増加が期待されています。

車が増えれば渋滞するのと同じく、貿易が増えればコンテナ船が遅れる可能性が高くなるのは容易に想像できます。

2.ステークホルダーが多く、システム化のハードルが高い
貿易は、業務の前後で関わる生産や購買部門に加え、外部の物流企業も多く関わります。
ハードルが高い分、優先順位が下がっていたと考えられます。

3.サプライチェーンがコストセンター扱いされている
アナログの業務が残っている最大の理由は、サプライチェーンが「コストセンター」扱いされているからです。

日本の多くの企業が、「コストカット」をサプライチェーンのKPIに設定しています。
皆さまも、ECで買い物をする時に「送料無料」を選びたくなるのと同じです。

コストセンター扱いされている背景から、最小限の人数で業務を行っているケースが多くなってます。

さらに、日本では「時間通りにキレイに届くことが当たり前」と思われており、届かないことが問題になる世の中です。
その結果、「減点方式」の評価体系となり、新しいチャレンジが起きにくいと状態になっています。

つまり、業務削減のインパクトが少なく、コストセンターである領域に、新しくIT投資するという「チャレンジングな意思決定」が起こりにくい状況と言えます。
実際に、Shippioを導入する時に、既に予算があるケースはかなり稀です。

3年経って体感する「貿易の経済インパクト」

マーケットサイズと社会的インパクト

アナログかつ重要視されていない貿易ですが、日本の貿易金額は輸出が年間100兆円、輸入が110兆円と莫大な金額となっています。

さらに、失われた30年と言われる時代においても年々増加しており、実はバブル期から2 - 3倍増えています。

貿易は

日本の輸出入額(出所):https://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/nenbet.htm

中長期的にマーケット自体が伸びている稀有な業界と言えます。

また、金額だけでなく、リアルにモノが動くという点でも経済への影響は大きくなります。

最近では、フーシ派の攻撃でスエズ運河が使えないというニュースを見たことがある人も多いと思います。
スエズ運河が使えなくなり、多くの企業がアフリカ経由で遠回りせざるを得ない状況になっています。

遠回りと言っても国内配送とは距離が違いますので、1つのコンテナ船あたり億単位で燃料費が増え、スエズ問題の経済損失は欧州だけでも3カ月で1,500億円とも言われています。

このように、世界情勢の影響をダイレクトに受けるのが貿易です。
世の中で起きている出来事がどのように貿易に関わるのか?またShippioで解決できることはないか?というディスカッションが、「世界規模」で取り組めるのがShippioです!

実際に、Shippioのサービスは中国 / タイ / ベトナム / 北米 / ベルギー / イタリア / オランダなど、様々な国で利用されています。

シリーズBのフェーズで、世界規模に視野を広げているスタートアップは少ないのではないでしょうか?

ちなみにコンテナ船のスケールの大きさが分かる動画はコチラ

体感する事業の拡張性

企業を選ぶポイントに、「事業の拡張性」という視点を持っている人も多いと思います。
私自身も、クラウドERPを展開するfreeeから転職する際に、「事業の拡張性」を軸の1つに入れていました。

ShippioのようなバーティカルSaaSだと拡張性が低いと思うかもしれませんが、貿易業界においては可能性しかありません!

具体的には、「サプライチェーン」「周辺業界」「ステークホルダー」の軸でビジネスの広がりがあります。

①サプライチェーン
サプライチェーンでは、前後のスコープでの広がりがあります。
例えば、輸出する前の受注管理や生産管理、輸入した後の在庫管理などです。

私が入社した2021年当時は「貿易領域のみ」での活用でしたが、この3年で営業部門や購買部門、生産 / 工場部門海外現地法人での利用も拡大しています。

また、2024年5月にAPIもリリースしていますので、サプライチェーン領域での前後の広がりに勢いがつくことは間違いありません。

②周辺業界
周辺業界の代表例は金融です。
貿易は国を跨ぐ商取引なので、様々なリスクや資金負担が発生します。

現在も保険やファイナンスサービスはありますが、テクノロジーによる改善余地はあります。
特に、国際物流の輸送データや商取引の実績を活用している事例は少ない状況です。
今までとは違った与信判断による保険やファイナンスができると思っています。

③ステークホルダー
貿易には、製造業や商社などの「荷主」と呼ばれる輸出入する企業だけでなく、様々な物流事業者も関わります。

1つの貿易で3,4社の物流事業者が関わることもあり、関係者の裾野も広いと言えます。
Shippioのサービスは、多くの物流事業者とコミュニケーションが可能なプラットフォームとなっています。

この物流会社との取組みについては、「物流事業者向けのサービス展開」という新規事業も見据えています。

一部の終わりに

ここまで、Shippioが挑む貿易業界の「ポテンシャルの高さ」について書かせていただきました。
まとめると、貿易業界は下記のようなポテンシャルがあります。

  • 日本に不可欠な領域にも関わらず、アナログな業務が残っている

  • 失われた30年でも拡大している稀有な業界

  • バーティカルSaaSではあるが、事業の拡張性が高い

次回は、可能性しかない貿易業界で、「なぜ、これからのShippioが面白いのか」について触れていきます。
実際のお客さまの反応や独自のポジショニングに触れつつ、「チャレンジしている壁の高さ」などに触れていきたいと思います。

もしこの段階で少しでもご興味を持っていただけましたら、下記リンクからカジュアル面談のお申し込みやお問い合わせいただけると嬉しいです。


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