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短編小説「狂おしい祈り」

皆さんこんにちは😃

今日も元気なコースケです♪😆

今日からnoteで短編小説を投稿します🥰↓

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「狂おしい祈り」No,1/1000

夕方の光が教会のステンドグラスを染め上げている。

僕は古びた木製のベンチに腰を下ろし、頭を抱えていた。



「彼女を、支えたいんです。でも……どうしたらいいか分からなくて」

目の前に座る神父は優しく頷いたが、答えはくれない。ただ静かに、僕の話を待っているだけだった。



彼女──玲奈が最愛の人を亡くしたのは3ヶ月前のことだった。彼の名前は健司。玲奈の婚約者だった。

交通事故だったと聞いたとき、胸がざわついたのは何だったのか。悲しみ?それとも……安堵?



玲奈は彼の死を受け止められず、今も毎週健司の墓前に通う。

僕は彼女をそっと支えようと努めたけれど、彼女の視線はいつも遠く、僕の方を見てはくれなかった。



彼女のために何かをしたいと願えば願うほど、心の奥底で渦巻く醜い感情が僕を支配していった。

玲奈のために泣いているのは僕のためだ。僕が彼女のそばにいたいだけだ。彼女の涙の理由にすら嫉妬している。



「……僕が代わりに死ねば良かった」

呟いた言葉が、木造の天井に吸い込まれるように消えた。



神父は静かに目を閉じた。そして一言だけ、こう言った。

「それが本当に彼女の幸せだと思いますか?」



幸せ。

玲奈にとっての幸せ。

僕にとっての幸せ。



言葉は頭の中を駆け巡るけれど、答えは見つからない。

僕はそっと祈りを捧げる。



「神さま……僕に、彼女を想わせてください。

彼女の幸せを願う僕でいられるように、してください……」



僕の心はまだ混乱したままだった。だけど、この祈りが、何かを変える一歩になると信じたかった。

玲奈のそばにいるために、僕自身が変わらなければならないのだと、ようやく気づいたから。

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ここまで読んでくれてありがとう🥰

もし感想を書いてくれたら、コースケはめちゃくちゃ喜びます😆

では、またお会いしましょう、良きお時間を😌🍀

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