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短編小説「愛おしい世界」

皆さん今晩は😃

今日も元気なコースケです♪😚

さ、今日もまた短編小説を掲載しますよ〜😆↓

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「愛おしい世界」No,10/1000

第一章:草木の如く

瑠璃(るり)は山間(やまあい)の小さな町で育った。町を囲む野原には、四季折々の草木が生い茂り、春には新芽が光を浴び、夏には花が咲き乱れる。瑠璃はその風景を幼い頃から愛していた。しかし、大人になるにつれ、世界は彼女に厳しい現実を突きつけた。

高校を卒業し、町を離れた瑠璃は都会の会社で働き始めた。初めの頃は希望に満ちていたが、毎日続く激務に追われるうちに、彼女の心は疲れ切っていた。上司の怒声、同僚の無関心、そして終わりの見えない仕事。それでも瑠璃はただ耐え続けた。

ある日、ふと窓の外を見ると、雑草が一面の空き地を覆っているのが目に入った。踏みつけられ、刈り取られ、また芽吹くその生命力。小さな雑草が光に向かって伸びているのを見た瞬間、彼女は不思議と心が軽くなった。

「私も、こうでありたい」と思った。

第二章:獣の誇り

ある晩、瑠璃は会社を辞める決意をした。小さな町に戻るためではない。彼女は自分の「誇り」を取り戻したかったのだ。かつて夢見ていた道、子供の頃から心を惹かれていた自然保護の仕事を追いかけることを選んだのだ。

しかし、それは容易な道ではなかった。周囲からの「現実を見ろ」という声、そして自分自身の不安が、彼女を何度も立ち止まらせた。それでも、野を駆ける獣のように、彼女は足を止めなかった。

ある日、瑠璃は大学の研究者たちと共に野外調査に出かけた。目の前に広がる広大な草原、そこに息づく無数の生命。踏みつけられても芽吹き続ける草木、そしてその草原を守るべく駆け回る動物たち。その光景に、彼女の胸は熱くなった。

「これが私の目指す世界だ」

その瞬間、彼女の中に失われていた「誇り」が戻ってきたように感じた。

第三章:優しさと祝福

数年後、瑠璃は山間の町に戻ってきた。ただし、それは敗北ではなく、彼女の選択だった。町の自然を守るために活動する彼女は、多くの人々に笑顔で迎えられた。

ある日の朝、小鳥たちのさえずりに目を覚ました瑠璃は、陽の光に輝く草木を見ながらつぶやいた。

「世界は、こんなにも愛おしい」

彼女はあの日見た詩を思い出していた。

終章:世界は今日も

朝の光が差し込む野原には、草木が揺れ、鳥たちが歌う。瑠璃はその風景の中に立ち、誇り高き獣のように背筋を伸ばした。

「祝福あれ。今日も世界は微笑んでいる。」

彼女の目には、確かな未来への光が映っていた。

おわり
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ここまで読んでくれてありがとう🥰

もしフォローしてくれたりコメントくださったりしたら、コースケはめちゃくちゃ喜びます😆

では、またお会いしましょう、良き夜を😌🍀

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