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短編小説「一日の終わりに」
皆さん今晩は😃
今日も元気なコースケです♪😚
さ、今日も短編小説を投稿しますよ〜😆↓
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「一日の終わりに」No,13/1000
橘花(きっか)は夕焼けを見上げながら、小さな坂道を下っていた。西の空には太陽が沈みかけ、空は茜色に染まっている。柔らかな風が髪を揺らし、頬を撫でる。
「今日も終わったなぁ」と彼女は呟いた。
毎日特別な出来事があるわけではない。橘花の一日はいつもと変わらず、朝起きて、仕事に行き、夕方には帰宅する。ただその「いつも通り」に何か意味があるのだと感じる瞬間が、彼女を支えていた。
今朝、橘花は少し疲れていた。曇りがちな気分のまま職場へ向かい、デスクに座る。けれど仕事を始めると、同僚との何気ない会話や、スムーズに進んだタスクが小さな喜びをくれた。昼休みには、会社近くの公園でベンチに座り、木漏れ日の下で好きな本を読んだ。それだけのことだったが、心が少し軽くなった気がした。
「特別じゃなくてもいい。自分が満足できるなら、それでいいんだよね」
自分自身にそう語りかけるのは、最近の習慣になりつつあった。橘花は、自分に厳しくしすぎてしまうことが多かった。それを変えようと、少しずつでも自分を労わる努力をしている。
帰り道、橘花は小さなパン屋で焼き立てのクロワッサンを買った。家に帰ると、テーブルの上にそれを置き、ミルクティーを淹れる。暖かな飲み物の湯気が立ち上り、部屋にほんのり甘い香りが広がった。
窓の外には星が見える。橘花はカーテンを開けたままソファに座り、夜空を見上げた。静かな夜の中で、自分の呼吸音が心地よく響く。
「今日もいい一日だった」
心の中で呟くその言葉は、特別な出来事があったからではない。何気ない日常の中に、小さな充足感を見つけられたからだ。
翌朝、橘花は太陽の光で目を覚ました。カーテンの隙間から差し込む光が部屋を満たし、新しい一日の始まりを告げている。歯磨きをしながら鏡を見ると、ふと気づいた。そこには微笑む自分が映っていた。
「よし、今日も頑張ろう」
橘花は心の中で小さく決意する。特別じゃなくていい。ただ、自分が心地よくいられる一日を重ねていこうと。
彼女の一日は、穏やかに、けれど確かな一歩と共に始まった。
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ここまで読んでくださってありがとうございます🥰
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では、またお会いしましょう、良き夜を😌🍀