長塚さん

長塚圭史さん×田中大介さん 「阿佐ヶ谷スパイダース『劇団化』を語る!」 『MAKOTO』上演記念イベントのレポート

2018年7月16日(月)下北沢本屋B&B(Book&Beer)で、脚本・演出家で俳優の長塚さんと、徳間書店学芸編集部の田中さんによる対談が、阿佐ヶ谷スパイダースの新作公演の記念イベントとして行われた。(ページ下部に公演ページを置いておきました!)

初めに結論というか全体の感想を書くと、非常〜に面白い対談で、特に演劇やアートのマーケティング、マネタイズ、持続的運営に興味を持っている人からすると(僕みたいな)刺激に溢れるイベントだったと感じる。

そんなワタシが特にイベント内で印象に残った部分を、現場でtweetレポートしていたので、そこから抜粋しながら順を追って見ていきましょう〜。

冒頭から長塚さんが一切の気負いなく「演劇プロデュースユニット」から「劇団化」した背景に関してテンポ良く語ってくださる。聴いていて自然と笑いが起きていくような雰囲気だ。長塚さんの長年のファンの方もいらっしゃるようだった。

そんな中、長塚さんが一度阿佐ヶ谷スパイダースを解散させようとしていたことが明かされる。ずっと長塚さんのプロデュースで演劇をやってきた過去がある中で、この形でさらに将来も続けていくことに意味を見出だせなかった時があったそうだ。(ちなみに長塚さんは、あの長塚京三さんの息子さんでもある。 大正漢方胃腸薬CM https://youtu.be/wUzHgPjdlZ4 )

個人的には、数多くの企業の組織開発に携わる中で、劇団に限らず多くの「企業」組織も、リーダーが強い組織から、現場やボトムも一緒になって動ける自律協働する組織への転換を図ってがんばっているが、演劇を一緒にやる仲間「組織」でも、見方によっては似たようなことが起こっていたのだ。

さらに、阿佐ヶ谷スパイダースでは「働くひと」に対して演劇ワークショップを開くなどして、組織に入ってくる人への間口を広げている。

演劇一筋の人たちだけでなく、演劇とはまた違ったところで頑張っている働くひとが入ることは、組織の活性化にとっても良いことだろう。それはちょうど、会社に新卒新人や中途入社社員が入ってきて無邪気に新鮮な目で「なんでこういう風に仕事しているんですか?」と聴いてくれることが起きるからだ。

少し話逸れるが、個人的には会社員×演劇俳優を欲張って両方やっていきたいキモチもあり、阿佐ヶ谷スパイダースのような有名な劇団がこうした動きをしてくれることが勇気づけられる。

(自分自身、2016年に会社で働きながら演劇公演を2回おこなった時は正直慣れない部分も多く、仲間に迷惑もかけたし、自分も申し訳なさや不甲斐なさで辛い想いを持ちながら、どうにかこうにか仕事と演劇を両立した。

でもそれで演劇を楽しめなかったり、結果いい稽古・作品にならなければ、本末転倒だ。だからこそ、これからもっと自分自身が両立チャレンジを続けて、そのコツを体得していけたら、同じように思う人に対して伝えられることが増えていくのではないか、と思っている。

なので、2018年お盆明けには大好きで憧れに近いキモチを抱く「DULL-COLORD POP」さんの演劇オーディションに参加することが決まり、頑張ってまた"会社で"働きながら演劇を楽しみ作る、ということにチャレンジをしたいと考えている。※オーディションだから落ちることも当然あるがw)

※上記2016年のことなどを少し話させてもらった、パラレルワーカー・若者就職支援の会社UZUZ社で、芸人×営業をやっている森川さん( @a54689 )との対談動画です、ご笑覧ください。

話がだいぶ逸れてしまったので戻します!!長塚さんファンの皆様申し訳ありませんでした、戻ります!


面白かったのは、阿佐ヶ谷スパイダースの稽古場には子供さんを連れてきていいそうだ。長塚さんはイベント中、再三再四「演劇をもっと開かれたものにしたい」と仰られた。(激しく共感)

そのため、子供がいて面倒みたいけど演劇もしたいという方も気軽に参加できるように、稽古場に子供がいる環境を劇団の中ではポジティブに捉えているそうだ。(しかも、子供のように行動が予測できない存在が場にいることは、場の即興性を高め、演劇の稽古的にも豊かな場所になると個人的には思っている。)

これはまさに、企業でも「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」と呼ばれ、多様な社員が生き生きと自分らしく働ける環境を経営が用意してあげることと同じだ。D&Iの実施目的は多様だ。労働人口が減る中で「労働力を確保したい」、多様性を認め豊かな会社として「ブランディング」したり「人材採用に活かしたい」など。

その施策も目的によって広がる。「働くお母さんのために子供を預かる」だけでなく「リモートワークを認める」「男性の育児休暇を義務化(弊社)」「パパ・ママのランチ会」など多種多様だ。

「なぜ毎回、演劇の話を、企業の話と繋げるの?」

と疑問を持たれる方もいるかもしれないので、ここでカンタンに意図をお伝えします。

僕は長塚さんと同じように「演劇がもっと開かれたものに」なってほしいと考えており、もう少し詳しく言うと「演劇がもっと社会と繋がるものになり、自分自身も演劇を楽しみ、アーティストの皆さんも持続的に活動ができ、多様な演劇・アート作品が街に溢れ、アートを切り口に 様々なテーマで対話が行なわれ、いきいきと生きる人が多い世の中」にしていきたいな、と考えています。

その世の中に向かっていく上で、今、自分がビジネスパーソンとして企業で仕事をしている経験を手段として用いるならば、ビジネスシーンと演劇とも結びつけて、演劇との接点を持ってもらう工夫をしていきたいと考えています。

ちょうど最近山口周さん( @shu_yamaguchi )が書かれた書籍がベストセラーになり「ビジネスマンこそアート・美意識を鍛えるべきだ」と述べられていますが、それにも共感が大きいキモチで、ビジネスマンに「あ、演劇って敷居高く感じていたけど、普段の仕事と似た部分もあるんや」と思ってもらいたいのです。

そんな想いから、いちいち演劇の話を「組織開発コンサルタントの視点で捉えたら?」というハッシュタグをつけて、アートなどの話題をtweetをしているものであります。


さぁ、長くなってきましたが締めていきます。

対談後の質疑応答では長塚さんに直接ご質問をさせていただく機会に恵まれました。そこで「①演劇をもっと開かれたものにしていくことの具体的なイメージ」や「②もし演劇作品を作る人だけでなく、演劇を広める活動をメインにやるビジネスサイドの人間がいたとしたら、どのような行動を期待するか?」というご質問をしました。

長塚さんからは①について、イギリス・ロンドンでは、劇場に併設されたPubで公演後の役者がふらっと飲んでいて、観客側も「役者さんがいる〜」と遠巻きに見る人もいれば、「良かったよ!」と話しかける人もいる光景が日常的だと紹介された。そんなシーンを日本でも作っていきたい、ということだった。

例えば、東京芸術劇場は、劇場内に郵便局があったり(長塚さんはこれを「これは最高だね、だって人が来るじゃない!」と)カフェがあったりと日本の中ではがんばっている劇場だと挙げていらっしゃいました。

②については「いろいろな面はあると思うし非常に難しい質問だけど」と前置きをされた上で

「やっぱり、チケットを持って周りの友人や知人に勧めてくれる、そういう姿勢やキモチのある人がいいな」

とのことでした。(以来自分は、ダルカラ「1961年:夜に昇る太陽」や、ハイバイ「て」「夫婦」のチケットを2枚ずつ購入して、必ず1人普段演劇を見てない友人を誘って観に行くのでした笑。)

▼ちなみに、イベント終わりでも長塚さんと少しだけご挨拶・会話をさせていただいたのですが、僕が「twitterで阿佐ヶ谷スパイダースのアカウントにリプライを飛ばしながら、いろいろtweetしちゃいましたが、大丈夫でしょうか…?」と聞くと、一言

「どんどんやっちゃってください!」

非常にエネルギッシュで、熱くて、ビジネス的な感覚もお持ちな長塚さん。ファンになりました。

田中大介さんも非常に演劇に対する造詣が深く、作り手のキモチに丁寧に寄り添いながら話を聞き出してくださる方でした。

最後になりますが

いま8月10日現在、20日(月)まで吉祥寺シアターで阿佐ヶ谷スパイダースが「MAKOTO」という芝居を上演中。WEBサイトはこちらです


もっともっと演劇やアートがマーケティングされて広がり、豊かな社会になることを願いつつ、行動していきたいと思います!

もしよろしければ、お気軽にコンタクトくださいませ!


おしまい。

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YOMOYAMA-NIKKI
おしゃべりな一方、筆不精ですが、がんばって色々書いていきたいと思います。反応の1つ1つが通知で届きますが、励みになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。