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デニムを羽織ってお風呂へ行こう!♨️【ITONAMI もったいないジーンズの湯】
東京の銭湯の番台が、泊まれるデニム屋で住み込みをしてみた。
どうも、3月まで小杉湯で番台・わたしの湯ライターだったくみこまるです。一旦卒業してもなお、こうして小杉湯のnoteで発信させてもらっているわけは…
\ ITONAMIが営む宿で住み込み始めました /
こんにちは、先日まで番台だったくみこまるです🍑
— 小杉湯|高円寺・昭和8年創業 (@kosugiyu) April 1, 2022
昨日から、岡山県倉敷市児島のデニムブランドITONAMIが運営するDENIM HOSTEL floatで住み込みで働き始めました。
5月のコラボ風呂に向けて、色ーーーんなことを、小杉湯Twitterを乗っ取って発信します♡#小杉湯番台が住み込みしてみた pic.twitter.com/w24C9mzgnA
そうなんです。今回で3回目のコラボ風呂を行う、岡山県倉敷市児島のデニムブランドITONAMI。そのショップ兼宿であるDENIM HOSTEL floatで、この4月から住み込みを始めました。清掃業務やカフェで働きながら、お客さんと交流したり、ここで自分が何が出来るのか模索したりしています。
遡ること約1年前。ITONAMIの湯をやると知った私は、ゆうすけさんに頼んで企画の打ち合わせに参加させていただきました。そこで代表の山脇さんと知り合い、製品のお話を聞き、お風呂のPOP用の文章をちょこっと書き、FUKKOKUで自分の履かなくなったデニムを預け、新商品のデニムワンピースも購入し…すっかりITONAMIのファンになりました。
これから仕事をどうするか、生活や自分の気持ちも含めて悩んでいた9月ごろ、ITONAMIが新しく人材を募集していることを知り、とりあえず応募。数回の面談を経て、4月から住み込みとして働くこととなりました。
そして5月7.8日、3回目となるコラボ風呂「もったいないジーンズの湯」を開催します。
こちらのnoteでは、ITONAMIやfloat、昨年小杉湯も参加した「FUKKOKU」についてレポートします!
ITONAMI、そしてDENIM HOSTEL floatって?
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ITONAMI(前・EVERY DENIM)は、兄の山脇耀平さんと、弟の島田舜介さんの兄弟ふたりで始めたデニムブランド。ジーンズを作るためのクラウドファンディングや全国での試着展示会、ワゴン車で47都道府県をめぐる移動販売などを経て、2019年にはジーンズの名産地である児島にショップ兼宿であるDENIM HOSTEL floatをオープンしました。
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今年の2月にはトレーラーハウス「FUNE」とグランピング「KUMO」の2つの客室が増え、3月にはサウナ「浮サウナ(fuu sauna)」がオープンし、4月には飲食部門の社員がジョイン。パワーアップして、魅力が倍増中なのです。今年は3年に一度の瀬戸内国際芸術祭もあり、瀬戸内地域もますます面白い年です。ぜひ訪れて欲しいなあ。
floatに最近できた浮サウナ🧖
— 小杉湯|高円寺・昭和8年創業 (@kosugiyu) April 20, 2022
エストニア製のバレルサウナで、半円ガラスからは瀬戸内海が一望できます🏝ロウリュウは瀬戸内レモンのアロマ水、水風呂はオーダーメイドの信楽焼。外気浴もとーっても気持ちいい…#小杉湯番台が住み込みしてみた pic.twitter.com/U0DoFxEy5j
FUKKOKU みんなのデニムが生まれ変わった1年
FUKKOKUは、「メイド・イン・わたしたち」をテーマに、昨年4月から始まったデニム再生プロジェクト。おうちに眠っている履かなくなったデニムを回収、粉砕して綿状に反毛(はんもう)、そこから糸をつくり、生地を織り上げ、再びデニム製品へと再生しました。
そもそも、デニムは出来上がるまでのさまざまな工程が分業されています。FUKKOKUの製品が完成するまでには、糸づくりの倉敷紡績株式会社(愛知)、デニム生地づくりの篠原テキスタイル株式会社(広島)と連携して生産が行われています。
篠原テキスタイルさんにはFUKKOKUを行う前からお世話になっており、そして篠原テキスタイルさんとクラボウさんも100年以上の歴史があるため、先代からの付き合いがあったそう。
「篠原さん経由でクラボウの新技術の話を聞き、ぜひ見たいと思い見学に行きました。工場で説明を受けながら実際に技術を見ていると、再生された生地の色合いが面白く、ぜひ一緒にやりたいと思ったんです。」(山脇さん)
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では、この1年のデニムたちの流れを見ていきましょう!
01.回収
2021年の4〜6月に目標回収本数1000本を掲げ、全国各地の回収協力拠点の方々と共にデニムを回収。プロジェクト開始と共に全国の回収拠点も徐々に増えていき、最終的には約100拠点で約4000本のデニムが回収されました。
7月には各拠点からfloatにデニムを送ってもらい、自分たちの手で仕分け、ハサミで不要な部分のカット作業。8月には反毛して新しい糸になり、そしてこの3月に再生生地を使って製品化、販売の流れです。
02.仕分
今回の技術で再生可能なデニムは、綿が95%以上でないと再生できません。そのため、タグの素材表を見ながら95%以上なのか、そうでないのかを一本一本仕分けし、金属部分や皮ラベルなどをハサミでカットし、布とそれ以外の部分に分けました。ITONAMIメンバー、そして当時のfloatの住み込みたちとともに1週間ずーっとカット作業を行ったそうです。なんてアツい一夏の思い出…!
そしてその布を、倉敷紡績株式会社(クラボウ)の工場のある愛知県まで自分達でトラックで運びました。
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03.反毛
具体的に「生地を再生する」とはどういうことなのか?
今回の「反毛(はんもう)」という技術は、生地をひっかいて、原料の綿の状態に戻す技術です。完成品のデニム生地を最初のふわふわの綿の状態に戻し、それを糸にするまでが、クラボウさんの最新技術なのです。この技術があるからこそ、FUKKOKUというプロジェクトが実現したと言っても過言ではない…!
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デニムを作る際、普通は真っ白な綿から真っ白な糸をつくり、何度も染色して濃紺にします。しかし今回は糸になる原料の綿自体がデニムから再生されたものなので、既にほんのり青い色がついています。後染め無しで、淡く綺麗な青色なのです。
04.ものづくり
反毛で再生された糸が完成し、次はそれを広島・福山の篠原テキスタイル株式会社で生地にしてもらいます。縦糸と横糸が織り合わされて生地になりますが、縦糸(色付き)と横糸(白い糸)の本数の違いによって布の色も変わるそうです。面白い。
今回は色だけでなく、再生生地ならではのとても柔らかく優しい風合い、質感も特徴です。とにかく、生地を触ってほしいなあ。
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「私たちは色んな製品を手にし、買うことができますが、その中でもビビッとくる、長く「これだ」と思えて大事にできる製品が欲しい時に、完成されたものだけを買うのでは、特別感みたいなものは得られないかもしれません。しかし、作ることに関わるというユニークな体験をすることで、出来上がった製品に何か特別な愛着を感じて手にとってもらうというやり方は、この時代において良い手段なのかなと思っています。
普通にデニムを作って販売ももちろんやっていますが、それと並行してこういったプロジェクトをやることは、また特別なやりがいがあります。」(山脇さん)
ITONAMIのテーマでもある「色んな人に関わってもらってものを作る」ということが、これらの技術であればできる。不要になったデニムを預けるということを通じて、一般の人でも間接的にものづくりに参加できるというのがワクワクするし、面白い点です。
05.製品化
再生された生地がITONAMIの手元へ来て、そしていま、その再生生地を使用した商品が販売開始しています。デニムなのに、とにかく柔らかくて動きやすいのが特徴です。
ITONAMIオリジナル商品としては、カバーオールとイージーパンツの2種類。カバーオールは、襟元と袖に静岡・掛川で生産されているコーデュロイがアクセントになっており、カジュアルに着こなせます。イージーパンツも腰がゴムになっているのでとっても履きやすいんです。
店と人を繋ぐコミュニケーションツール
また、この再生生地を使用した、回収に関わってくれた各拠点とのコラボ商品も続々と出来上がっています。農家さんなら作業用エプロン、服のセレクトショップならオリジナルデニムの販売、酒蔵ならグラスの下に敷くコースターなど、拠点によって商品もさまざま。各拠点の熱量もすごいんです!!!
↓小杉湯とも縁の深いhaccobaさんのnoteもぜひ読んでみてください。
「FUKKOKUを通して、アパレルではないお店の方々がものづくりに関わるきっかけになったり、お店にデニムを持ってきてもらうことで、お客さんとお店の間に交流やコミュニケーションが生まれ、お互いの関係性が少し深まるきっかけにもなったと思います。たとえITONAMIを知らなくても、「自分がよく通っている小杉湯の製品になるんだったら参加したいな」と思ってくれた人もきっとたくさんいるはずなので、出来上がった生地をそれぞれの拠点と一緒に使っていくことをとても大事にしています。」(山脇さん)
去年私も、せっかくなら…と思い、履かなくなったデニム2本を小杉湯で預けました。色んな地域の人が、好きなお店にデニムを持ち寄って、それが破棄されるのではなく、色んな人の想いを乗せて、新たな命が宿されて再生する。その裏側にあるストーリーを知る・関わることで、服…ひいては自分が普段使うものへの愛着が湧きそうです。
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ITONAMIの湯 ーデニム、そして児島の魅力を伝えるお風呂
小杉湯とITONAMIのコラボは今回で3回目(初回はこちら)。
今回はコラボ風呂に加えて、ギャラリーでの展示やYouTubeライブ、軒先販売会を行います!
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さて、今お風呂に入っている皆さんは、上を見上げてみてください。児島のまちを彷彿とさせる仕掛けが見えますでしょうか?
湯気でなびくジーンズたち…児島とはどんなまちなのか…次のnoteで詳しく書きますので、ぜひご覧あれ。
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お風呂から上がったら、ぜひ待合ギャラリーへ。FUKKOKUで反毛された実際の糸や布の展示、floatから見える瀬戸内海やまちの写真の展示、そして恥ずかしながら私の書いたnoteが読めます(もう読んでるか)。
軒先では、ITONAMIの通常製品はもちろん、FUKKOKUの商品や、小杉湯とのコラボ商品を販売。実際に手に取って、試着や購入ができます。(※一部商品は受注販売)
そして気になる、小杉湯とのコラボ商品は…「家から銭湯までの手ぶらで来れる羽織」です!!!
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ぜひ実際に手に取って、羽織っていただきたいのですが…
私が激推したいポイントは、外にも内にも付いている「ポケット」です。まず外ポケットは、玄関の下足札がちょうど収まるサイズ。番台時代、よく下足札を無くすお客様もいらっしゃいました。このポケットに入れたら無くさないのでは!?笑
そして、内ポケットはメッシュになっています。これは「手ぶらで」銭湯に来るために、着替えや下着などを入れられます。通気性の良さも◎
再生生地ならではの柔らかさがあり、デニムなのにサラッと羽織れる。そして主張が強すぎない淡い青色なので、意外と色んな服装に合いそう…!普段着としても活躍するんじゃないでしょうか。ダボっと着てもシルエットが可愛かったです。
いや〜本当に、卒業してもなおこんな小杉湯に関われて、こんなありがたいことはないです。幸せだな。次のnoteでは、まちのこと、そしてfloatでの住み込み日記をお届けします。引き続き読んでくださいね!
ぜひ皆さん、この週末、そしてこれから1ヶ月、小杉湯に散りばめられたITONAMIを、思う存分堪能してください♨️
イベント概要
5月いっぱい ITONAMIや児島に関する展示@待合ギャラリー
5月6日(金)20時〜 小杉湯×ITONAMI YouTubeライブ
5月7日(土)-8日(日) もったいないジーンズの湯、軒先販売会