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#小杉湯番台が住み込みしてみた【ITONAMI もったいないジーンズの湯】
5月7.8日に行われる、ITONAMI×小杉湯コラボ風呂「もったいないジーンズの湯」。
こちらのnoteでは、DENIM HOSTEL floatのある岡山県倉敷市児島のまちについてや、実際に住み込んでみての感想などについてレポートします!
1本目はこちら→ https://note.com/kosugiyu/n/nd2caf029b4ca
産業、自然、食の豊かな海のまち 児島
ITONAMIが拠点を置く岡山県倉敷市児島は、温暖な気候に恵まれた海のまち。日照時間が長く、塩分の多い土壌のため、塩分に強い綿花が育てられてきました。そのため、帆布や学生服、世界に誇るジャパンデニムなど、繊維業が盛んな地域です。
児島というまち自体が海と山に囲まれており、同じ倉敷市内でも、美観地区のある倉敷駅中心部や、工業地帯のある水島地区などとはまた違った文化のまちです。
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floatはJR児島駅から車で20分ほど。駅周辺の市街地からは少し離れた、自然豊かな環境にあります。海がとにかく美しく、毎日違った景色が広がっています。
まちを歩けばジーンズにあたる
JR児島駅に着いてまずみんなびっくりするのが、吊るされたジーンズだと思います。駅の階段にも、エレベーターにも、改札にも、とにかく至る所にジーンズのデザインが施されています。
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そして駅から歩いて10分ほどの場所に、「ジーンズストリート」という、ジーンズ販売店やカフェなどが集積する商店街があります。ジーンズの形の大きな看板や、ぶら下げられたジーンズが目を引きます。
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通り沿いには、江戸時代に塩田王として栄えた野崎家の旧邸宅や、塩田の歴史資料館もあり、児島の歴史の深さも垣間見えます。
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実はうどんがソウルフード
児島の対岸にはうどん王国・香川県がありますが、実は児島も美味しいうどん屋さんが沢山あります。セルフスタイルだったり、朝しか開いていなかったり、おでんがあったり、店舗ごとに特徴が違うのも面白いです。
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floatからいちばん近い「いしはるうどん」は、器からはみ出る大きさのジューシーな海老天が特徴。熱々のお汁にひたすと「ジューーーーッ」と音がして、サクサクでとても美味しいんです。麺のコシも強く、floatのみんな大好きでよくお昼に食べに行きます。
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“多島美”と称される美しい風景
児島の魅力はやはり、瀬戸内海に浮かぶ島々の美しさです。floatからは香川県坂出市の工業地帯や讃岐富士、四国山脈なども見えます。その島々をつなぐ瀬戸大橋も美しいです。
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瀬戸内海は毎日違う表情を見せてくれます。パラグライダーや飛行船が飛び、大小異なるサイズの船が往来し、虫も動物もたくさんいて、毎日目が離せません。心地いい潮風も、ゴチゴチの岩肌も、穏やかな波も、空の色の移り変わりも、向こうにかかる瀬戸大橋も、私は全部好きです。
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好きなまちを離れ、離れたかったまちへ行く
floatでの日々は、安心感もありつつ、毎日が刺激的です。
山脇さんと島田さんをはじめ、社員さんや現役・旧住み込みスタッフたち、floatのファンの人たちは皆、優しくて包容力があり、芯のある人たちばかり。各々の持ち味や特技がこの場で発揮されて、互いに作用して心地よい場を作っているんだな、と感じました。
そして毎日入れ替わりで色んな方が全国から泊まりに来てくださり、一緒にご飯を食べたり夜中まで語り合ったりすることもあります。数日ノープランだったけど結局3泊しちゃったという方もいれば、海を眺めながらリモートワークをする方、ちょっと息抜きに遠くから来て私たちとの会話を楽しんでくれる方など、地域も仕事も目的もバラバラの方が一緒に数日間過ごすって面白いな〜と思います。色んな人生を知ることが出来て、本当に毎日楽しいです。
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小杉湯はお客さんも働くひとも世代が幅広く、お互いの名前は知らないけどいつも同じぐらいの時間に会う顔見知りがたくさんいて、さくっと世間話をしたりたまに差し入れをくださったり、その絶妙な距離感が面白かった。お風呂で裸になったら、そのひとの職業も年齢も性別もお風呂の前では平等というか、「いち人間」になれる感じがしました。
floatは宿なのでまた違って、同世代が多く、宿泊するからこそ、そこそこ深いコミュニケーションができます。自分のスタイルを持った自由でオシャレな若者にたくさん会うので、ちゃんとビビるし羨ましくも思うし、でもそれがまた刺激的です。実際喋ってみると、悩んでいたり、かけ出しだったり、芯があっていい人ばかり。そして面白いのが、みなさん他人の話を聞くのが上手なんです。共通の知人がいる、みたいなことも起きて、世間ってせまいなあ、引き寄せられてるのかなと思います。
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というか…なんてったって、児島というまちは、大学進学で上京するまでの18年間を過ごした私の故郷なんです。これまでこんなに「素敵なまちでしょ!来たくなったでしょ!」と言わんばかりに魅力を綴りましたが、正直私はこのまちが好きではありませんでした。正確にいうと、魅力や良さに気づいていませんでした。地形も相まってか閉鎖的だし、ヤンキーも多いし、早く都会に行きたかった。何もないと思っていた。
しかし大学でまちづくり、地域、コミュニティなどを学び、都会のローカルを知り、商店街の個人商店などでお店番などをして、「自分はどんなまちが好きだろう」と考えた時、「会いたいひとたちがいるまちが好きだな」と思いました。
自分が住むまち、大学のあるまち、働く先があるまち…小杉湯のある高円寺もそうですが、そのまちの景色や文化、食なども重要だし好きだけど、私が好きなまちには、思い入れのあるお店があって、何よりそこを営むひとやそこに集まるひとが好きなんだ、と気付きました。
そのお店たちは「ここは私を受け入れてくれそう、という心理的安全性がある」「色んな属性の人が集まる、多様性がある」「私のやりたいことを実現できる(めっちゃサポートしてくれる)」という点が共通しています。そのひとたちが幸せなら私も幸せだし、そのひとたちのために働きたいし、一緒に何かしたい。離れていると「元気かな〜会いたいな〜」と思う。会いたいひとたちが色んな土地にいるって、とても幸せなことだなと思います。
そして改めて自分の故郷に目を向けたとき…故郷を好きになれそうな、最適な場所があるじゃないか、と思ったのです。それがfloatでした。
何もない、はやくここから出たい、広い世界を見たいと思って上京したのに、私がいない間に児島になんだか面白い場所が出来ていて、そこの人たちはみんな楽しそうな幸せそうな顔をしていて、「えー、何それずるい!」と思ったのが最初の気持ち。でも、ここと接点を持てば、いずれ自分にとって絶対に良い影響があるだろう、地元を改めて好きになれるかもしれない、と思ったのです。
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そして実際floatに住み込んでみて、「豊かさや楽しさは自分たちの手で生み出せるもんなんだよな」と実感しました。何もないまちなんて多分無くて、いかに自分で自分のまちを面白がれるか。この感覚は、私が学生時代に関東で学んだことだけど、もしかしたら地方である地元でも、私も何かできるのかもと思えました。
小杉湯もそうですが、ここは「働く」と「暮らす・生活する」が密接に関わっています。というか、もうほぼ同じ。働く環境と暮らす環境が同じなので、そりゃあ、よりよい環境をつくりたい、と能動的になれます。
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(自分的に)まだ信じられないことも多く起きています。
とあるお客さんに「美観地区も良かったけど…結局この海の景色が恋しくなっちゃいました」と言われました。他のお客さんには「floatから車で数分の場所にいい物件があるみたいで、本当に住んじゃおうかな」「帰りたくないな〜」、そして実際に岡山、倉敷、児島に移住したという人もいて。え、マジで?
外から来た人は、ずっと住んでいる自分には見えない別の視点で、魅力を感じ取って楽しんでくれていて、そんな人たちに自分のまちを肯定されると少し自信が持てました。児島、ええまちなんかもしれん。
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週1で実家に行く(もう帰るではなく行くって言ってる。)のですが、実家から車で国道430号線を走っていると、漁港に突き当たります。突き当たりの狛犬と燈篭を左折すると、山と岩肌が見えてきて、やがて集落もなくなり、左手に山、右手に海の風景に。異世界に行くのでは、という感覚になりながら海岸線をうねうね走り、右手に釣り人のよくいる岬が見えたらfloatに到着です。帰ってきた〜という感じがします。
地元なのに地元じゃない感じ。地元に家がふたつある、でもそこは家であり職場でありサードプレイス。変なの!1ヶ月住み込んでみての感想は、そんな感じです。
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イベント概要
5月いっぱい ITONAMIや児島に関する展示@待合ギャラリー
5月6日(金)20時〜 小杉湯×ITONAMIインスタライブ
5月7日(土)-8日(日) ITONAMIの湯、軒先販売会
文章:くみこまる(トミオカクミコ)