中川多理展「白堊――廃廟苑於」③(はいびょうえんにおいて)
「白堊の肖像」シリーズ
丸窓から覗く少女達のBOX入り肖像。
作品集『薔薇色の脚』特装版としてシリーズで制作しています。
(前回初お披露目時のnoteはこちら↓)
今会場では、2階から人形達を見下ろすと、白堊の「堊」の文字が浮かび上がります。ぜひ階上のスイートスポットからも御覧ください。
そこに結界のように
肖像のBOXをインスタレーションしていきました。
今回の函は会場に合わせてグレー基調で制作して貰い、手作業でエイジングをかけて仕上げていきました。インダストリアルな風合いがぐっとくる、かっこよい仕上がりになってお気に入りです。
白堊の肖像:No.13「Unglazed」
アングレイズド。この子に使用した土から名前をつけました。日本の磁器土を使ったのですが、収縮率が他と異なり、同じ型を使ったNo.14〜以降の子と比べても、お顔がぱんぱんで大きいです。面白いくらい。作家秘蔵にしようかな?と迷ったのですが、無垢な感じが何とも愛らしく、せっかくなので連れてきました(販売もしています。)
白堊の肖像:No.14「Ash white」
年初に「廃鳥庭園」という灰鳥さん達の饗宴の展示を開催したのですが、その名残で灰を基調にした白い肌の子が生まれました。グレーを基調にしたベビーボネが、今回の函にぴったり似合っています。
(廃鳥庭園の記事はこちら↓)
会場で離れて置いてあるとわからないかもしれませんが、No.13と14、並べるとこんな感じ。作家的には驚愕の大きさの違いなんですが;全く同じ型を使用しているので、人の手の及ばない、焼き物の不思議ですね…。
白堊の肖像:No.15「Wistaria」
藤色の英名、ウィステリアちゃん。海外のモヘアで可愛いなーと思って入手していたのですが、なかなかこの色を使いこなせる子がおらず…。この子にようやくピタッとはまったので、同じ色のグラスアイと一緒に纏めました。艶っぽい子です。
白堊の肖像:No.16「Canary」
会場では右手壇上に居ます。ゴールドの顔料を使った描き眼の子で、少し眼球が光って見えます。描き眼はグラスアイとはまた違う、不思議な表情を出せるので好きです。
ボデイは珈琲系ブラウンを基調に彩色し、これまで作っていた珈琲彩色の骨の子達に意識的に近づけてみました。個人的にはかなりお気に入りの仕上がりとなりました。金糸雀(カナリア)色から「Canary」と名づけています。
白堊の肖像:No.17「縷縷(るる)」
赤と碧のオッドアイ・スコティッシュの猫の化身、縷縷(るる)ちゃんの物語を目にしたので、そこから生まれました。訳あって非売の子ですが、会場でも人気の様です。
【御予約はこちら】中川多理展「白堊――廃廟苑於」
+
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?