『薔薇色の脚』出版記念個展に寄せて
2023年2月23日から新刊作品集『薔薇色の脚』の出版記念個展を行います。昨年末より手がけていたビスク作品を初お披露目します。
これまで、人形を作る時に眼前に浮かぶビジョンとして、
遠い先の世界(同じ時間軸には無い世界かもしれない)に、風化し漂白された骨の様な姿の人形達が安らかに目を閉じて遺跡の様に立ち現れる姿があり、そういった象の人形達を繰り返し、忘れない様に粘土で制作してきました。
いつか百年を超えてその姿を保ち続けるビスクの手法でこの子達を制作したいと思い描いていました。透光性のある、硬質ですべらかな肌のビスクはその少女達を再現するのに最適だと思ったからです。
『サガレン』の中で、妹トシの魂の在りどころを求めて北上する賢治の道程を追いながら、人は死んだら何処へ行くのか、魂の無いヒトガタに人の魂めいたものを追い求めたり、ふと感じてしまうのは何故なのかという根源的な問いを思い重ねながら制作しました。柔らかい人肌のビスクドール達は、そういった幻想と錯覚をより強固に思い起こさせる力があるようです。
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出版記念個展では、作品集『薔薇色の脚』特装版として2つのシリーズを発表します。
・「白亜の肖像」シリーズ
丸窓から覗く少女達のBOX入り肖像×12体が並びます。
オールビスク・オブジェ/体長:約30㎝(BOX:34㎝×18㎝×15㎝)
・「薔薇色の脚の肖像」シリーズ
薔薇色の脚プロトタイプの少女のBOX入り肖像×6体〜
オールビスク・オブジェ/体長:約15㎝(BOX:20㎝×8㎝×7㎝)
その他の出展予定作品として
・「薔薇色の脚プロトタイプ」
初めて焼き上げたオールビスク作品として薔薇色の脚プロトタイプ:ビスクバージョンを展示します。
オールビスクドール/体長:52㎝
・「小鳥の侍女」(未定)
本当に最後の小鳥になりますが、会期中に間に合えば…送り出したいと思います。
粘土作品/
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3月1日発売の作品集『薔薇色の脚』も一足お先に会場で入手できる予定です。
皆さまぜひ、久しぶりのお人形達に会いにいらしてください
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