フランスの英雄ナポレオン誕生の地、コルシカ島を旅する
世界史を習った人なら知っているであろうコルシカ島。
コルシカ島は、フランスの南東部にある、フランス領の島です。フランス本土(フランス本土は六角形の形をしているため、フランス語ではHexagoneと呼ばれている)から少し離れているため、文化も独特。
5月中旬に3泊4日で回ってきたので、その様子をご紹介します!
コルシカ島の地理と歴史
コルシカ島は、地中海に浮かぶというその地理性から、古くはローマ帝国、イスラーム勢力、イタリア、フランス、とこれまで様々な国から支配を受けてきました。
中世からは、イタリアの統治下にあり、ジェノヴァ共和国がコルシカの支配権を握りました。しかし、18世紀に入ると、コルシカ島で、ジェノヴァからの分離独立運動が始まり、度々反乱が起こり始めます。そこにフランス軍が介入する形で、1768年にコルシカ島はフランス領となりました。しかしそこでまた、コルシカの「祖国の父」と見なされている政治家パスカル・パオリ(1725-1807)をリーダーとして独立戦争が起きます。そして1769年にパオリが降伏し、コルシカ島が再びフランスに征服されます。
このような歴史的独自性から、フランスからの独立を求める人々も中にはいるようです。有名なのは、1976年に設立されたコルシカ民族解放戦線(Front de libération nationale corse: FLNC)。1983年に表向きには解散したようですが、今でもその分派の動きはあるようです。
日本語で言う「コルシカ」とはイタリア語での呼称で(Corsica)、フランス語では「コルス(Corse)」と呼ばれます。
今回の旅では、コルシカ島の中でも、中心地である、南西部に位置するアジャクシオ(Ajaccio)を回ってきました。その後にフェリーでイタリアへ向かうため、第二都市のバスティア(Bastia)へ電車で移動しました。
コルシカ島はフランスのリゾート地
今回、コルシカ島はほぼ1人で回っていたのですが、正直に言うと1人で来る場所ではなかったです、、、泣
理由はいくつかあります。
まず一つは、1人で気軽に楽しめる観光スポットが少ないから。Ajaccioは中心地と言っても、1人で楽しめるスポットは2つしかありません。レストランの価格も比較的高くて、一人旅向きではありません。
次に、車がないとコルシカ島全土を楽しめないから。コルシカ島は、Ajaccioと、北東部に位置するBastiaを結ぶ鉄道以外、交通機関がありません。Ajaccio内、Bastia内を周るバスはありますが、その他は車必須。コルシカ島は海と山、どちらにも囲まれており、自然体験・レジャーにはもってこいですが、車がないとそこには辿り着けません。。。
そして最後に、ソロ旅行者や学生がよく利用するホステルが全然ないこと。私はいつも、ヨーロッパで旅行をする時にはホステルを利用します。大体いつも、高いところで40€、安いところで10€しない、といったところ。しかし、Ajaccioにはそれがなく、結局1番安いところで、2日間で120€の貸しアパートにしました。高いだけあって部屋が広くて、キレイで、とても快適でしたが、正直かなり寂しかったです。
以上のように、コルシカ島は1人旅には向いてないと思います。実際、大学の友達にコルシカ島のことを話すと、「あ〜、小さい頃に家族とバカンスによく行ってたなぁ」って言われる。そうです、コルシカ島はファミリー向けのリゾートスポットなんです!!!
Ajaccioの観光地
Musée national de la Maison Bonaparte (ナポレオンの家)
コルシカ島といえば、ナポレオン・ボナパルトの生誕地!実際にナポレオンが幼少期を過ごした家が、現在では、ナポレオン家の歴史を伝承する博物館となっています。
今回コルシカ島を訪れた目的はココでした!
実際に、ナポレオン1世は1769年8月15日に生まれてから、9歳で勉強のためにフランス本土で渡るまでの9年間をこの家で過ごしました(その後も度々帰ることはあったらしい)。
ナポレオンが生まれたのは、パスカル=パオリの独立運動が失敗して、再びコルシカ島がフランスに征服されてから、間もなくのこと。ナポレオン1世の父である、シャルル・マリ・ボナパルトは、パオリの副官を務めていましたが、ナポレオン誕生直前にフランス側に転向し、戦後にその報酬として、国王からフランス貴族と同等の権利を受けます。ナポレオン1世とその兄弟達が、フランス本土で教育を受けることができたのは、このおかげだったらしい。
ナポレオン1世の母であるレティツィアがこの家を出た後は、彼女の甥・アンドレに所有権が渡りました。数十年後、ナポレオン1世の弟ルイの息子ナポレオン3世がこの家を買い取った時には、荒れ果てていたそう。この時期に家具やインテリアが変えられたため、今この家に残っているものは第二帝政期の物が多いです。そして現在は、国に寄贈され、博物館となっています。
ちなみに、EU圏内の学生は無料で入れました!(交換留学生でもこの期間はEU圏内の大学に通っているという扱いになるので、無料になります、嬉しい!)
Palais Fetch Musée des Beaux-arts (フェッシュ美術館)
ナポレオン1世の母方の叔父であるジョセフ・フェッシュ枢機卿の個人のコレクションを基礎として設立された美術館。
ルネサンス期とナポレオンの時代に描かれた作品を数多く展示しており、特にイタリア絵画のコレクションが多いです。
しかし、有名な絵画はほとんどないので、マニアックな人でない限り楽しめないかも、、、笑
Plage!
暖かい時期にコルシカに来たら絶対に海に行くのがオススメ!ちなみに5月中旬で、最高気温が28℃でした。
海はめちゃくちゃ綺麗でした!今まで私が見た海の中でも、圧倒的な美しさ。
砂浜には、寝っ転がっている人がたくさんいました。日本人とは逆で、黄金色の肌を好むフランス人は日焼けするために海に行くとか。
コルシカ島の食べ物
山羊と羊のチーズ
山羊(chèvre)や羊(brebis)のチーズはフランスではスーパーでもよく見かける定番商品ですが、コルシカ島の特産品でもあります。
中でもブロッチュ(brocciu)という、山羊のフレッシュチーズが有名だそう。
Saucisson
フランス語でSaucisson(スシソン)と呼ばれる、ソーセージ?サラミ?のようなものは、フランスではApéro(食前のつまみ)の時によく食べられています。そんなフランス人に馴染みのあるSaucissonは、コルシカの名産品。
コルシカのsaucissonは、市販のモノとは違って、スモーキーで臭みがあるので、好きな人は好きな味だと思います。
Canistrelli
Canistrelli(カニストレリ)は、コルシカの伝統的なお菓子で、ソフトクッキーに近いです。
今は小麦粉が材料として使われていますが、昔はコルシカ島の名産である栗の粉が使われていたらしい!
私もスーパーで、cèdreという皮部分が厚い、レモンのような柑橘系果物の皮が入った、canistrelliを買って食べました。調べてみると、cèdreはレモンの原種と言われ、コルシカ島で有名なら果物みたいです。
Bastiaからフェリーでイタリアへ
3日目は電車で4時間かけて北東部のBastiaへ向かい、翌朝8:00発のイタリアLivorne行きのフェリーに乗りました!
イタリアまでは4時間ほどで着きます。
フェリーの中はとても広くて、部屋がいくつもあり(予約が必要)、レストランやカフェがありました。
今回私が利用したフェリー会社のCorsica Ferriesは、コルシカ島、フランス本土、イタリア本土、サルデーニャ島の4箇所を拠点としているようです。少し値段は高くなりますが、夜行のフェリーもあるようで、フェリーに泊まるのもありだなぁなんて思いました。
コルシカ島の旅は以上!
他の地域に旅行するのに比べると、かなり寂しさを感じる旅でしたが、念願のナポレオンの家に行けたり、コルシカ島のフランス語アクセントを聞けたり(少しイタリア語っぽい!)、満喫できました。
上の写真は、たまたま入った教会でやっていた、地元の方々のコンサート。司会の方はコルシカ島なまりで、歌はコルシカ語でした。
コルシカの文化にも触れられて、とても良い旅になりました。
次は自分の家庭を持ってから来たいなぁ笑
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