読書ときどき音楽も#142
「198Xのファミコン狂騒曲」塩崎剛三(SBクリエイティブ)
年代的にそうなのか、ここ最近は長らく続いた「昭和30年代」や「1970年代」ものが一通り落ち着いたのか、「1980年代」を振り返る企画が多くその時代を子どもとは言えリアルタイムで過ごした身としてはついつい反応してしまう上に、どっぷり親しんだエンタメだともう止まらない。
今回の著者は雑誌『ファミコン通信』の立ち上げから関わっただけあって購入前から期待が高かった。1980年代後半はファミコン全盛期で、関連書籍も多く出ていて、我が家でもファミマガ、マル勝、必勝本(兄が好んで買っていた)、ファミ通(こちらは1990年代に弟が定期購読していた)は愛読していたのでそうした裏話にわくわくして一気に読み進めてしまった。さすがにお家騒動だけは本筋とずれるせいかさらっとしか触れていないけれどそれでも面白く読めた。やはりどんなにゲームのことが好きでも仕事にしている以上好きだけではできないことがあるなあと現在のわが身に置き換えてしみじみと納得するのであった。欲を言えば『ファミマガ』『ファミ通』と裏話が出ているのだから、『ファミコン必勝本』の裏話もどなたか執筆してくれないかなあ…個人的に投稿ネタ、連載小説が好きだったもので。