他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#97
「傷だらけの天使たち」喜国雅彦(小学館)
子ども時代に“新しい文化”は、たいてい兄から持ち込まれるものだった。今回紹介する作品も、多分学校などで掲載誌を読んだか、単行本を借りたかではまった兄が家に持ち込んだことで読んだ1冊である。そして古本屋ではあるが全巻そろえた作品でもある。
後に弟も某音楽雑誌を定期購読するほどとなり、珍しく兄弟全てが気に入った漫画家のひとりとなる。一番好きなネタは、現在だと絶対掲載できないものであるが引用できる範囲だと、「とある閉ざされた空間で一人の男が人質を多数とって立てこもっている中、少女が生理的欲求を催し、父親がトイレに行くことを懇願。当然犯人は許可するはずもないのだか、とある第3者の放った一言が…」
とオチの最低さで弟といまだに盛り上がれるのはいいんだか悪いんだか。あとは「ヒロシと父ちゃんシリーズ」も好きだった。
てことは中学生の頃から進歩のない自分だなとつくづく思う。