読書ときどき音楽も#60
「ロックン・マーチ」藤掛廣幸作曲
もう知っている人はほとんどいなく寂しいのが、自分が一番好きな吹奏楽の曲と言われて真っ先にあげるのが、1991年吹奏楽コンクール課題曲Cとして世の中に登場したこの「ロックン・マーチ」。けれど、好きな課題曲ランキングには絶対入っていない。実際、コンクール支部大会の本番で、この課題曲Cを演奏した団体は、午後の演奏にも関わらず初めてだったか唯一だったかと記憶している。そのぐらい人気のなかった課題曲と言っても過言ではない。自由曲に時間を割きたい団体は一番演奏時間の短い「そよ風のマーチ」を選んだところが多いし、部の方でもぎりぎりまで「コーラル・ブルー」か「ロックン・マーチ」かでかなりもめていたのもうっすら覚えている。そして金賞はもちろん取れなかった…
なぜマイナーなのに好きなのかと問われれば言えば、曲そのものが好き(ファミコン音楽風にアレンジしたバージョンが神!)もあるけれど低音の見せ場が多いのと、当時憧れていた人と一緒に練習できて舞台に立つことが出来るからという不純な動機だったことを白状する。まあ、そんな浮ついた気持ちはすぐにばれ、世の中そんなに甘くないことを思い知ることになるのであるが…
もう一度だけ昔に戻れるならこの課題曲を練習していた初夏の教室に戻って、真面目に演奏して認めてもらいたいなあと中年になっても引きずっているのに苦笑してしまう。あ、他にも反省点はしこたまあるから戻らなくていいのかとも思ってしまう。