読書ときどき音楽も#79

「魚と水」田亀源五郎(双葉社)

 「弟の夫」からのファンになった田亀源五郎先生(さすがにそれ以前のハードコアな作品は知っているけれど読む勇気は未だない…)の新刊が出たので早速購入。しかし、裏表紙のあらすじが意味深で、料理+同性愛の漫画とくれば、ドラマ化もされた某有名作品を思い出してしまう設定でありながら出てくるキャラクターがクマ系とマッチョなので正直読む前は「大丈夫か…」と心配していたのだが、読み終えてしまえば愛が芽生えていく甘酸っぱさがいい読後感となっている。もちろんシャワーや入浴などのサービス(?)シーンもあるからそっちも楽しめる。料理だけでなくコロナ禍の生活を描いた作品にもなっているので、リアルタイムで読むよりも10年ぐらいたってから読み返した方が味が出そう。1巻完結というのは本が増殖する人間にとってはありがたいけれど、もちっと続編も読んでみたい我儘も。あと、もしドラマ化されるとしたら誰が適任かなと考えてしまう。

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