読書ときどき音楽も#131

「プラム川の土手で」ローラ・インガルス・ワイルダー/こだまともこ、渡辺南都子:訳(講談社)

 「大草原の小さな家」シリーズ第3弾。ここまでは子どもの頃読んでいて、小学生時代の自分にはこの巻が一番面白く感じた。開拓民の生活に興味がなかったせいて(かわいくない子どもでした)、「プラム川」で学校や町での買い物、教会でのクリスマスといった「都会的な生活」が出てきてわくわく読み進めた。ただ、大人になってから読み返してみると、「修正は過分に入っているが、ベースは実話」な分、イナゴ(実際はバッタ)の大群で農作物が全滅する描写が生々しくて嫌であった。完全に子ども向けのおとぎ話にするのなら、何かのきっかけで農業が盛り返す的な展開にしそうなものだけれどそうじゃないところが子ども向けであって子ども向けじゃなかったなと思った。あと、自給自足の頃は気づかなったインガルス一家、経済的には結構厳しいのだなあと大人の目線で見ると気づかされてしまった。
 基本的に、主人公に親がいないかもしくは母親だけだと経済的な困窮はあるが、両親がそろっているとそんなことはないというのが童話のセオリーというバイアスがかかっていたんだなあと思った。あと子どもの頃も今も「ヴァニティ・ケーキ」食べてみたい、ドーナツとは違うんだろうか。いまだに気になってしょうがない。

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