他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#31
『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』山下泰平(柏書房)
実はこの本、発売当時に某大型書店で平積みされているのを見て、「なんじゃこりゃ」と思ったのが第一印象。タイトルの怪しさに惹かれ、パラパラめくってみるもその時はスルー。しかし、見かけるたびにどうも気になるばかり。値段的な問題ではなく、なんとなく「自分に合わなさそう…」と思い込んでいたため購入には毎回至らず。
そうこうしているうちに、雑誌の書評などで取り上げられはじめ、そこで紹介されている文章や概略を読むとさらに気になり、自分としては珍しく買うのに数か月躊躇した奇書(褒め言葉!)。
じっくり読み進めると…面白い部分を抽出して紹介していると分かっていても、なんで買うのをためらっていたのかが分からないぐらい自分好み。誰か『バンカラ奇旅行』(タイトルの元になった小説)をコミカライズして欲しいと切に願う。