読書ときどき音楽も#39

「きみにかわれるまえに」カレー沢薫(日本文芸社)

 今までの人生で振り返ってみても、「ペットと死別する」ことをほとんど経験したことがない(かろうじて、兄弟が釣ってきた魚と祖父が捕まえたヤモリしか経験がない)ので、いわゆる「ペットロス」がいまいち理解できていない。
 確かに愛情を注いだ対象がいなくなるのは悲しいだろうなと頭では分かっていてもピンとこなかった。よって、「漫画ゴラク」系列の掲載誌で連載されていた時はさすがに気付かず、単行本化されて好きな作者の作品だから買った今回の本。
 いつもの絵柄に…だまされたよ…“号泣”はしないまでも、ちょっとうるっと来てしまった。一番好きなのは最初のトイプードルの話。犬苦手なのにじーんとした。多分の今後の人生も自分からは積極的にペットは飼わないと思うが(別れるときの辛さ以前に、自分のエゴだけで生き物の自由を奪っていいのかと思ってしまうので)、もし機会があったら精一杯愛してあげたいと思った。その前に動物と対峙しても怖くならないようにしないと…続編にあたる「いきものがすきだから」も味わって読みますか。

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