読書ときどき音楽も#143
「シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室」田島享央己(河出書房新社)※新装版
先日、身内より「絶対気に入ると思う」ととあるXに投稿された画像を見せられた。そこには、きりっと鋭い眼光を放つ猫や鳩がキャッチャーをしているのに投球はなぜか下半身を直撃…あまりのシュールさに最初は「興味ないよ」と冷たくかわしたものの、数日後には他の絵を求めてXを検索しまくが肝心の作者名がうろ覚えだったため空振りに終わる日々。ようやく正しい作者名を教えてもらい、むさぼるように過去のポストから紹介されている画像を見てはニヤニヤする楽しい毎日を送っていたが、現在でも入手できる単行本が存在すると知り買ったのが今回の本。
そこで初めて著者の本業が彫刻家であることを知った。内容はシュールな作品の数々と、完成品に対してあまりにもまともな製作工程(ほめています)、それどXでもうっすら思っていたシュールな文章。そして本のラストを飾るのが、美しい女性の木彫り像。奥方によるあとがきも味があって本当に面白い。近々展示が開催されるので、生まれて初めて自発的に行ってみたいと心から思った。(今までは招待券もらった、とかたまたま通りがかって入場無料のものしか見ていないもので…)肉眼であの絵や彫刻が見られる日が本当に待ち遠しくてならない。