読書ときどき音楽も#55
「A列車で行こう」ビリー・ストレイホーン作曲
今を遡ること30と数年前、かろうじて元号は西暦であった1月のある日、吹奏楽部所属だった自分は年に何度か参加している演奏会の本番があった。その当時の年間の演奏会スケジュールは、6月の地区演奏会(所属している地域の学校のみ)、8月のコンクール支部大会、11月の行政地域全ての演奏会、そして1月の所属地域+隣の地域の演奏会が該当していた。6月は新入部員デビュー、11月は3年生引退後の新体制となるので、1月は場数を踏んでいることもあり一番リラックスして望めた記憶がある。
主に、3月の定期演奏会の目玉となる大曲をリハーサルがてら演奏していたのだが、その年のみ、いつものクラシックや吹奏楽名曲じゃなくて某ミュージカル映画の曲と「A列車で行こう」(ニューサウンズ版)を演奏したのであった。その当時は男子部員が多いこともあって低音の層の厚さやソロもばっちり決まってかっこよかったことを記憶しているけれど、一番脳裏に焼き付いてしまったのが、カップミュートが既製品じゃなく手作りで、いわゆる通称「どん兵衛ミュート」だったから…トランペットが赤いきつねミニでトロンボーンが緑のたぬきだった記憶がある。そしてミュートを作るためにカップ麺を食する先輩方の姿も…もっと他に覚えることがあるだろうに。曲は原曲・アレンジとも今でも大好きでそして浮かぶうどんのカップ。これも青春の思い出なんですねえ。
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