他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#36
「GOLDEN LUCKY」榎本俊二(講談社)
バブル真っ盛りの30年前。後から思えば「バブルの恩恵」らしきものは十分に受けていても、小中学生には実感はなかった。
ただ、ゲームや漫画は兄が影響を受けたものをそのまま家に持ち帰り、そしてまんまとはまるというループを繰り返す。
今回の「ゴッキー」(略称)も持ってきた「モーニング」で知った作品だった。この時代はいわゆる「不条理ギャグ漫画」の最盛期で「伝染るんです」(集英社)をはじめ、意味はきちんと把握していなくても引き込まれてしまうのであった。
「ゴッキー」も子どもでもわかるネタだけでも十分楽しめたので満足していたのだけれど、完全にオチが理解できるまで10年程かかったものもあり、代表例としてはタイトル「今度こそ酒やめる」がそうで、ネタバレになるけれど朝顔の種らしいキャラが夜な夜な発芽もせず酒を飲み、ついに切れた子どもがお世話を投げ出し、「うう、みず、みず~」という構成なのだけれど中学生に分かる訳はなく、成人して酒を飲むようになって翌朝の喉の渇きを経験してはじめて、「あっ、それでタイトルがああなっているんだ!」と分かった時は嬉しかったなあ。こういう時間差があるっていうのも作品を楽しむ醍醐味だと勝手に思っている。
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